2012 Fiscal Year Research-status Report
慢性心不全症例に対する運動負荷三次元心エコー図検査による評価の有用性
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23500632
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
芳谷 英俊 産業医科大学, 医学部, 助教 (30351894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾辻 豊 産業医科大学, 医学部, 教授 (30264427)
竹内 正明 産業医科大学, 医学部, 准教授 (30236434)
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Keywords | 慢性心不全 / 心臓リハビリテーション / 三次元心エコー図検査 |
Research Abstract |
本研究の目的は急性心不全で治療を受けた症例や慢性心不全で加療をおこなっている症例を対象に運動負荷三次元心エコー図検査および呼気ガス分析をおこない運動耐容能との関連性を分析し、その結果を心臓リハビリテーションに活かすことが目的であった。従来より心臓リハビリテーションは、運動時の心拍数や血圧、可能な症例では呼気ガス分析をおこなったデータなどより推定した運動耐容能を参考に運動量の調節をおこなってきたが、そういった呼気ガス分析結果と心エコー図検査結果との関連についてはあまりよくわかっていない。これより低心機能に伴う心不全症例を対象に運度負荷心エコー図検査を行い、その結果と呼気ガス分析結果より心臓リハビリテーションのメニュー作成の参考になるのであれば臨床においても意義があると思われる。 これまでの運動負荷心エコー図検査をおこなった心不全患者を対象にその結果に対する検討をおこなっている。それによると運動負荷心エコー図検査による運動量と運動誘発性肺高血圧の出現の程度を比較し三尖弁逆流から算出した収縮期肺動脈圧の上昇の程度と運動負荷時の症状の出現の程度や心房機能低下と緩やかな関連性があることが判明している。しかし運動負荷心エコー図検査と呼気ガス分析検査を同時に施行し得た症例が限られており、呼気ガス分析結果との関連性の検討までは至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当院で当該年度に運動負荷心エコー図検査をおこなった症例数は71例であり、うち弁膜症が37例、慢性心不全に対して12例、虚血やその他の目的でおこなったのが22例であった。 昨年度の報告同様、弁膜症症例は外科的治療、慢性心不全症例に対しては心臓再同期療法や順応性自動制御換気療法(ASV)の導入などなんらかの介入がなされている。これらの治療の介入 により心機能や呼気ガス分析結果に影響を及ぼすことが推測されるため本研究のエントリーができていないのが現状である。少なくとも当院での運動負荷心エコー図検査の症例数は蓄積されているので今後運動負荷心エコー図検査結果のみだけでも結果を検討し今後の治療につなげる検討をおこなっていきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には今後も継続して弁膜症による心不全や薬物療法などの介入のない心機能低下例を収集する。しかし実臨床の中では、呼気ガス分析を同時にできないあるいは心房細動合併や画質不良などの理由により三次元心エコー図検査での解析が困難な症例が比較的多い。このことから心エコー図検査結果のみでの検討や三次元心エコーではなく二次元心エコーでの検討もおこなうことも考慮する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
心不全症例のエントリー見逃しを防ぐためにデータベースの作成、エコーデータのファイリング、エコー解析のためのソフトやPCの購 入、呼気ガス分析の際に必要な用具の購入、情報収集を目的とした学会参加のための経費など。症例のエントリーが進んでいないためデータファイリングの媒体、解析装置などの購入が保留となっている。
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