2012 Fiscal Year Research-status Report
運動と積極的栄養摂取のコンビネーションによる筋萎縮対抗策の開発
Project/Area Number |
23500636
|
Research Institution | Aichi Medical College for Physical and Occupational Therapy |
Principal Investigator |
宮津 真寿美 愛知医療学院短期大学, その他部局等, 准教授 (50335056)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 太郎 至学館大学, 健康科学部, 教授 (10252305)
|
Keywords | 筋萎縮 / 運動 / 栄養 / 骨格筋 |
Research Abstract |
筋の萎縮に対する対抗策として代表的なものに、運動と栄養摂取がある。本研究では、運動と積極的な栄養摂取を用いた筋萎縮対抗策を開発する。 今年度は、運動による筋萎縮回復過程とそのメカニズムを検討した。ICR雄性マウス(9週齢)を対象とし、1週間の尾部懸垂によって後肢筋を萎縮させた後、オペラント学習法を用いた立ち上がり運動を、1セット25回を4セット、1日1回行った。1週間の立ち上がり運動で、ヒラメ筋において筋萎縮回復促進効果が見られ、また、筋線維あたりの筋核数が同週令のマウスと比べ有意に多くなっていることがわかった。運動による萎縮筋筋核の増加時期を詳細に調べると、運動48時間で増加していた。また、増殖する核の局在を組織学的に調べたところ、増殖核は筋細胞膜の外にあることがわかり、外来の細胞核が増殖し、そのあと既存の筋細胞に融合することによって筋核の増加が起こっていることが示唆された。この研究により、筋萎縮に対する運動の回復効果のメカニズムの一端を示したと考えている。これらの成果から、萎縮筋に対する効果的な運動の条件(量、種類、時期、期間など)を検討する予定である。 また、筋萎縮からの回復を機能的に評価するため、小動物用筋力測定装置を開発し、測定値の再現性が高いことを示した。この筋力測定装置の開発によって、筋萎縮からの回復を、組織的に評価するだけでなく、機能的な筋力で評価できるようになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物実験で、運動と食事のタイミングを示す予定であったが、計画した方法では食事量が減少するため、運動による筋萎縮の回復過程が見られない。萎縮筋に対する運動効果のメカニズムの一端は、示すことができた。また、筋萎縮からの機能的な回復効果を評価するため、小動物用足関節筋力測定装置を製作し、測定の信頼性(再現性)を確認した。
|
Strategy for Future Research Activity |
動物実験で、運動と栄養の効果を検討する計画であったが、計画した方法では筋萎縮からの回復が認められない。運動と栄養のタイミングを調べるための動物実験がうまく進まないので、培養実験を立ち上げることにする。骨格筋培養細胞により廃用性筋萎縮モデルを作成し、筋収縮(運動)と栄養摂取の効果を検討する。筋蛋白質の合成経路に、アミノ酸が関与することが既に知られているので、筋萎縮からの回復におけるアミノ酸投与の関与を明らかにした後、筋収縮(運動)との関連、細胞内メカニズムの解明へと発展する予定である。培養系に移行することで、細胞内メカニズムを解明がより期待できる。 運動による筋萎縮回復効果やそのメカニズムに関する研究に関しては、運動による萎縮筋の筋核増加現象を軸に、さらに進める予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
申請した計画を一部変更する。運動による萎縮筋の筋核増加のメカニズムや運動条件をさらに検討するとともに、骨格筋培養細胞で萎縮モデルを作成し、筋収縮(運動)とアミノ酸投与の関係を検討する予定である。そのため、試薬・抗体にかかる経費を増やす。具体的には、直接経費の総額約130万のうち、実験動物・動物飼育用飼料・床敷きで20万、 試薬・抗体で80万、 ガラス器具で15万、旅費10万、その他5万を予定している。
|
Research Products
(10 results)