2013 Fiscal Year Research-status Report
視聴覚非同期刺激を用いた次世代両耳補聴システムの実用性能評価
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23500637
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
本郷 哲 仙台高等専門学校, 専攻科, 教授 (80271881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢入 聡 仙台高等専門学校, 専攻科, 准教授 (00447187)
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Keywords | 両耳補聴器 / 音声了解度 / FW03 / 視聴覚非同期条件 / TS-BASE |
Research Abstract |
両耳聴補聴器において、被験者の相手の話者が発話中に、視覚情報のタイミングから処理よる遅れを伴って聴覚音声情報が耳に入る。本研究では、このような視聴覚の時間的非同期の刺激が与えられる条件下で,両耳補聴システムの主観的性能評価を行い,両耳補聴システムの実現上具備すべき要件を明らかにしていくことを目的とする. 特に,本研究代表者がこれまで提案してきたTS-BASEシステムおよび理想的な補聴システムを想定した場合について,主観的な性能評価,主観的な定位感評価,視聴覚相互作用による補聴システムの遅れ時間の影響,の観点にたち,了解度性能評価実験を行った. まず、話者映像から音声の遅れ時間を徐々に変化させ、それぞれの音声がどの程度認識可能であるかの実験を行った。発話単語リストは、50音の統制と親密度の制御がとれている東北大の坂本らが提案しているFW03を用いた。このリストを発話の訓練を受けたアマチュアアナウンサに発話させ、これを映像として録画、同時に高性能コンデンサマイクロホンで発話音声も収録した。このとき、音声はリニアPCM44.1kHzで収録し、収録条件による認知の影響はでないようにしている。その後、発話刺激を作成し、0ms,10ms,20ms,50ms,100ms,200ms,300ms,400msの遅れを与えたリストを準備した。これを聴覚健常な男女6名の被験者に提示し、どの程度の音声了解度が得られるか確かめた。なお、了解度のバランスを得るために、同時にホワイトノイズを提示している。 結果として、まず、音声了解度は、時間遅れが100msを超える付近から低下しはじめ、300msを超えた時には、視覚情報は音声認知を補助しないことが明らかとなった。また、子音と母音の認識率の差を調べたところ、圧倒的に子音の認識率が低下しており、時間遅れにより認識低下が起こりやすい部分が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
移動音源に対する音声了解度試験ができなかった。 理由については、所属する研究機関で図書館改修工事が入り、多くの部屋を提供することになったため、 音声了解度試験を実施する予定の部屋が多くの研究者と共用することになったため、予定通りの実験が 不可能となったからである。このことについては、延長申請により、平成26年度にできなかった試験を実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
音声移動を想定した視聴覚非同期条件における音声了解度試験を実施する。 具体的には、動く音源を提示し、音声が遅れを伴う両耳補聴デバイスを使うことで どの程度音声了解度が低下するかを調べる予定である。 遅れが伴う両耳補聴デバイスはアンドロイドシステム上に構築している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度被験者に対する了解度試験を実施する予定であったが、装置を備えた実験室が、本校図書館の改修工事に伴い、他の研究者と共用して使用せざるを得ない状況になった。このため、了解度試験を計画通りに進捗させることができず、研究成果をまとめるまでには至らなかった。実験室の共用は、図書書籍類を待避するための部屋の確保を全学的に協力することになったためで、改修工事についても、本研究計画時には、予想できなかった。 当初の計画では、今年度は、被験者による了解度試験を集中的に行い、本研究の成果を国際会議等で発表する予定であった。現在、了解度試験の半分は終わっており、次年度は、今年度予定していた了解度試験の残り半分と研究成果の発表を行う予定としている。従って、未使用額は、被験者への謝金、研究成果発表旅費及び研究成果発表論文の印刷費に充てることとしたい。
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Research Products
(2 results)