2013 Fiscal Year Annual Research Report
視覚障害者の活動支援のための文字情報取得・伝達システム
Project/Area Number |
23500647
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大西 昇 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (70185338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 義則 大同大学, 情報学部, 准教授 (60324464)
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Keywords | 文字情報 / 飲食店メニュー / 品名と価格 / 消費期限 / 情報保障 / 視覚障害者支援 |
Research Abstract |
本研究の目的は,身の回りに存在する看板・案内板,メニュー,商品の消費期限,ATM等の画面に表示された文字など,視覚障害者が日常生活で必要な文字情報の取得を可能とする,持ち運びできるシステムを研究・開発することである. 最終年度の平成25年度には,過去2年間の研究に基づいた最終システムの作製と評価実験および公共スペースにある点字標識の管理を支援する携帯型点字認識システムの研究を行った.最終システムはスマートフォンを利用した携帯可能なもので,クラウド計算を利用し,メニュー撮影後,約15秒後に音声情報を出力できた.アイマスクをした健常者による評価実験では,視覚情報なしで撮影できることを確認した.また,携帯型点字認識(透明プラスティックを除く)の精度は80%以上であった.成果は,国際会議や国内研究会で発表した.さらに,学術誌への論文投稿を予定している. 平成23年度は,消費期限/賞味期限を抽出し,使用者に伝達する手法を研究した.消費期限と賞味期限とに共通する文字の「限」を,Support Vector Machineにより生鮮食品やパックが写った画像中から抽出する.「限」の傾き分だけ画像を補正したうえで,「限」の周辺領域を切り取り,それに文字認識ソフト(OCR)を適用し,文字情報を抽出する.実験の結果.消費期限/賞味期限の認識のF値(適合率と再現率の調和平均)は,生鮮/加工食品は0.84,紙パックは0.39であった. 平成24年度は,飲食店メニューの品名・価格抽出と,斜め方向からの撮影による歪み補正を研究した.文字(品目・価格)が料理の写真等と重なるメニューと重ならないメニューの処理を考案した.完全一致の文字情報抽出率は,重ならないメニュー83%,重なる16%,一部の間違いを許した場合の抽出率は重ならない91%,重なる55%であった. 以上のように,性能の更なる改善が必要であるが,計画時の目標をほぼ達成できたと考える.
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