2011 Fiscal Year Research-status Report
頚部筋電位信号により制御を行う発声時に使用する医用福祉用デバイスに関する研究
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23500648
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大惠 克俊 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任講師 (80388123)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 人工喉頭 / 圧電発音体 / 代用発声法 / 筋電位信号 / スピーチバルブ / 圧電ポンプ |
Research Abstract |
平成23年度においては音源形状の最適化を最重要課題としたが,主として剛性低下手法による形状のブラッシュアップを遂行した.実験計画法に基づき,振動板の梁の本数,梁の幅,梁の長さ,圧電セラミックスの形状等,数種の形状パラメータを変更し,それぞれに対して有限要素解析モデルを作成,解析を行った.その結果,新規に考案した「振動板を別部品とし,複数の圧電セラミックスを接着した梁で支持する形状」は,現段階では共振周波数を低下させることが可能な形状であることが確認されている.しかし,その変形量は必要な音圧を発生するためには不十分であるため,今後の最適化に関する研究が重要課題となっている.従って,本年度の計画として挙げていた,実機の試作には未だ着手できていない.スピーチバルブに関しては,その開動作を行うアクチュエータとして形状記憶合金に着目し,その試作と動作確認を行った.その結果,直径30mm,厚さ0.1mmのTi-Ni系形状記憶合金を用い,中央部に切り欠きを入れることでバルブを開ける際の動作が可能であることが確認された.またその変形量,反応速度共に充分であることが確認されたが,その出力については測定できておらず,今後の課題である.バルブ形状に関しては,小型化したバルブ本体の原案の作成を行い,その形状の最適化に着手したところである.発声補助用小型ポンプに関しては,有限要素法を用いた形状の最適化を進めている.現段階では,流路形状の変更による流路抵抗の低減は確認されたが,本形状を適用した試作モデルでは流量の増加は確認されたものの,吐出圧力の低下が見られた.今後はチャンバ等の設置による圧力増大と,ポンプ配置の最適化による小型化に関する最適化を進める予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現段階では音源形状の最適化に時間を要しており,予定していた試作まで到達していない.原因として,想定していたパラメータを用いた際の音源の変位量が小さすぎたため,大幅なパラメータの変更が必要となったことが挙げられる.現在は,新たに設定した基準を用いて実験計画法によりパラメータを決定し,シミュレーションを行っている.スピーチバルブに関しては,研究計画で挙げたバルブに必要な条件を満たす基本的な形状の案はできており,またそれに必要な形状記憶合金を用いたアクチュエータも試作・動作確認まで終えており,さらに実際の呼気圧に関する測定も終了しているため,ほぼ計画通りに進捗していると考えられる.小型ポンプに関しては,流路形状の最適化を進めており,流路抵抗の軽減を目的とした流路形状の最適化は成功したが,試作品を用いた性能評価では圧力増大の必要性が認められた.現在は,小型化と圧力増大に関する最適化が継続中であるため,ほぼ計画通りであると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は音源形状の最適化を進め,早急な高性能な音源の試作およびその性能評価を行う予定である.また,音源単体ではなく,実用化を目指したパッケージングに関しても研究を進める.さらに,音声諒解度の向上を目指し,音源のピッチ周波数の制御が可能な制御システムに関する研究を行う.具体的にはこれまでオンオフ用としてのみ用いてきた筋電位信号を,信号処理の最適化を行うことでピッチ周波数の制御にも適用可能なものとする.その際の制御パラメータの最適化を,研究の主たる目的とする.スピーチバルブに関しては,シミュレーションを用いたバルブ部の形状の最適化を進め,アクチュエータを実装し,その動作試験および性能評価を行う予定である.ポンプに関しては,これまで不足していた圧力増大を目的とし,有限要素シミュレーションを用いた形状の最適化を進め,その成果を元にデバイスの試作および動作試験を行う.また,制御ユニットの応用範囲を広げるため,コミュニケーションエイドの制御の可否についての研究も行う.具体的には,ユーザの意見から制御するパラメータの選択を行い,筋電位信号の適用方法についての考察を進める.さらに,ケーススタディとして,これらのデバイスを実際にユーザに使用してもらい,その使用感等の評価も行いたいと考えている.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は試作と性能評価が中心となると考えられる.従って,研究費は主として試作および性能評価用装置等に使用される予定である.また,形状最適化に使用する有限要素シミュレーション用ソフトウエアの年間ライセンスや,成果報告として投稿する論文の学会誌への投稿料および,掲載時の別刷り等にも用いる予定である.さらに,効率的な研究を遂行するために研究協力者との打合せをより密とすることを計画しており,その出張旅費や国際会議での成果報告の旅費としても使用される.
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Research Products
(2 results)