2012 Fiscal Year Research-status Report
透明文字盤の特長を生かした非接触入力スイッチの開発
Project/Area Number |
23500657
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Research Institution | Uekusa Gakuen University |
Principal Investigator |
宮坂 智哉 植草学園大学, 保健医療学部, 准教授 (10404758)
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Keywords | 福祉用具 / 入力装置 / コミュニケーション支援 |
Research Abstract |
24年度実施内容:24年度の実施内容は、入力スイッチの誤作動防止対策、接点信号の出力信号の検討、入力スイッチ試作品の仕様検討の3項目だった。 入力スイッチの誤作動防止対策:誤作動防止対策に必要な、入力スイッチの基本性能を確認、決定するために、表情変化の検出限界を定量化した。表情筋のうち、一側の口角の挙上動作について検出限界を求めた。顔面の安静状態の静止画像と口角を挙上した静止画像を取得し、口角周辺範囲の画像明度で安静状態と口角挙上状態を判別分析で判別した。結果として一側の口角を安静状態から2mm挙上した画像が、安静状態と挙上状態を判別する限界だった。このことから、一側の口角挙上を入力源とする場合、安静状態から2mm以上の随意性運動が必要になることがわかった。そのうえで、誤作動の防止対策として、頭頸部の可動域変化、カメラ位置の変化を変動パラメータとして、それらが変化しても2mm以上の口角挙上を検出できるように、キャリブレーションの方法を検討した。スイッチの使用前に安静状態の静止画像を取得し、口角挙上以外の画像の明度変化を相殺し、安定して検出することを確認した。口角挙上による検出限界の定量評価については、2013年9月予定のアジア理学療法国際会議(台湾台中市)に投稿中である。 接点信号の出力方法の検討:接点信号の出力は、表情変化を検出したのち、パーソナルコンピュータの仮想シリアル(RS-232Cを仮想化したUSBポート)から出力する場合、マウスのクリック信号を出力する場合の2系統を検討した。 入力スイッチ試作品の仕様検討:入力スイッチは、現在実験で用いているCCDカメラと画像処理システムを中心とする構成とした。 24年度実績の意義および重要性:本年度の実績により、表情変化による入力スイッチの基本的な性能、誤作動防止の方法を見出したことで、研究の進行に対して有効だった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
24年度の実施計画は、入力スイッチの誤作動防止対策、接点信号の出力信号の検討、入力スイッチの試作の3項目とした。対して24年度の実施内容は、入力スイッチの誤作動防止対策、接点信号の出力信号の検討、入力スイッチ試作品の仕様検討の3項目だった。3項目中、2項目については計画通り実施した。残り1項目の入力スイッチの試作については、試作のための仕様検討にとどまった。これは、入力スイッチの誤作動防止対策に時間がかかったこと、24年度後半に研究者が研究機関に異動することになり、研究を実施する時間がかけられなかったことによる。25年度に研究の実施を加速し、計画を当初の予定通り遂行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の本研究の推進方策として、入力スイッチの試作、入力スイッチの評価をするために意思伝達支援装置を構築し、装置操作を試作した入力スイッチで実施することで、入力スイッチの効果判定をする予定である。効果判定の結果をもとに研究のまとめを実施し、論文に投稿する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
備品として、入力スイッチ、意思伝達支援装置の試作分として50万円、健常被験者による評価の謝金として10万円、国際会議の発表、渡航に関する旅費として40万円、国内での研究打合せによる旅費として25万円、論文投稿に関する投稿料、翻訳料として23万円、消耗品費として3万円の計151万円の使用を計画している。
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