2013 Fiscal Year Annual Research Report
透明文字盤の特長を生かした非接触入力スイッチの開発
Project/Area Number |
23500657
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮坂 智哉 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (10404758)
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Keywords | コミュニケーション支援 / 福祉用具 |
Research Abstract |
顔面周囲の随意運動のうち、日常の動作と入力動作の分離が容易で、実用的な入力動作を検討した。眼球運動、眼瞼運動(まばたき)、口唇の挙上について検討し、口唇の挙上が誤動作が少ないことから、口唇の挙上を主に入力動作の手段とした。 本研究で開発した随意性運動システム(オムロンFJ-SC5MG-S)には35万画素CCDカメラおよび500万画素CCDカメラを用いた。安静状態から一側の口唇を挙上し、安静状態と挙上した画像の明暗の違いで画像を判別し検出した。500万画素カメラでは、カメラと顔面からの距離500mmの条件で、口唇を安静状態から1.5mm挙上するのを検出した。同様に35万画素カメラでは、カメラと顔面からの距離200mmの条件で、口唇を安静状態から1.5mm挙上するのを検出した。 スイッチの入出力システムを構築した。システムの構成は、随意性運動システムにて口唇の挙上運動を検出すると5VDC出力を発生させ、その出力を接点信号に変換し、意思伝達支援ソフトウェア用のスイッチコネクタに入力した。スイッチコネクタに接点信号が入力されると、意思伝達支援ソフトウェアに入力される構成とした。システムの応答は、500万画素カメラで250msec、35万画素カメラでは100msecだった。健常者により入出力システムを操作し、意思伝達支援ソフトウェアの表示する画面上の文字を決定し、入力することを確認した。 試作したシステムでは、単純な意思伝達に使用するには応答の影響は少ないが、画面に動きがあるターゲットをクリックする作業は、500万画素カメラによる検出は入力遅れが起きた。このことから、現行のシステム構成では、撮影位置などを工夫して解像度の低いカメラを用いて応答を速くする制御系にするなど配慮を必要とした。今後より安価なシステムを検討した上で、対象者への評価を実施する予定である。
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