2013 Fiscal Year Annual Research Report
低分解能感覚系経由で三次元空間を高精度に認識させる視覚障害者用空間認識装置の研究
Project/Area Number |
23500658
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
鈴木 寿 中央大学, 理工学部, 教授 (10206518)
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Keywords | 視覚障害者用空間認識装置 / 極限事例 / 鉄道駅事故防止 / ステレオ撮像装置 / 三次元直視鏡 / 赤外線レーザレンジファインダ / ハフ変換 / 階段 |
Research Abstract |
極限事例として鉄道駅のプラットフォームにおける接触・転落事故などを防止するには、位置誤認の防止に加えて、誘導用ブロックの表面形状、プラットフォームの縁端、電車の進入などを効果的に検出する必要がある。この目的のためステレオ撮像装置として、平成23年度の第一号試作機、平成24年度の第二号試作機に次いで、平成24年度は誘導用ブロックの表面形状やプラットフォームの縁端などを検出するのに適した直径2.2cmおよび長さ22cm強の細長い円筒状で、スピンオフとして工業・医療用の三次元「直」視鏡としても活用可能なディジタル伝送方式の第三号試作機を作成した。 視覚障害者用空間認識装置は、ステレオ撮像装置および情報処理装置からなる。前者については平成24年度から新たに、精密加工技術を有する企業からの協力が得られたので当初の計画以上の成果が生まれた一方、あらためて極限事例を想定した視覚障害者用空間認識装置の人間医工学的意義および社会波及について熟慮すると、仮に特殊な形状のステレオ撮像装置がなくとも、例えば一般的な赤外線レーザレンジファインダで空間を測距した場合でも汎用的に利用可能であることが、より望ましい。 そこで、障害物表面形状の勾配を計算したのちハフ変換を適用して人工的構造物の特徴ともいえる直線状の縁端を積極的に検出することにより、危険な縁端に鋭く反応する情報処理方式を新たに考案し、通常白杖による短半径の接触検知とは相性の悪い床欠落(代表例として階段)や、超音波白杖ではほぼ検知不能な、超音波反射面の少ない棒状や突起状の障害物(進入禁止ベルト、手すりなど)に対する使用感を実験にて収集し一定の有効性を確認した。
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