2013 Fiscal Year Annual Research Report
患者の内面に共感を誘起するロボットビヘイビアの生成と評価に関する研究
Project/Area Number |
23500662
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
永沼 充 帝京科学大学, こども学部, 教授 (70319086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 章光 帝京科学大学, 生命環境学部, 准教授 (20245591)
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Keywords | ロボット介在活動 / ロボットセラピー / アニマルセラピー / リハビリテーション / 高齢者 / 歩行訓練 |
Research Abstract |
【最終年度の成果】前年度までの研究により提案システムと適用プログラムの有効性が確認されたので、研究者ではない現場の理学療法士、作業療法士等が自ら実施しデータを蓄積できるような環境を整えた。具体的には機材のコンパクト化による機動性の確保、ネットワークシステムの立ち上げ簡素化、ロバスト化、および操作マニュアルの整備である。あわせて異分野への導入を考え、多くのアニマルセラピー研究者が参集する会議や関連行事を通じて研究成果の紹介を行った。さらに、成果発表の機会をとらえて欧州での共同研究の糸口を探った。高齢者ケアーでは先んじているがロボットとの共生観が日本と異なる欧州での高齢者への適用について検討するためである。結果はH26採択の科研費研究における海外研究協力者として位置づけられた。 【期間全体を通じての成果】本研究の重要な視点は「物理的なサポートではなく心理的・社会的なサポートに置かれており、その端緒はアニマルセラピーである」と計画書に記載したように、無機的な対象物であるロボットを介在させて被験者(患者、高齢者)がどのように感じるかを評価基準として遂行した。成果として、①ロボットの細かなビヘイビアのプログラムは必ずしも必要ではない、②ロボットと対峙した時に被験者が主体的になれる環境を提供することが必要、③個々の被験者に対応したプログラムが重要であることなどを明らかにできた。定量的な評価基準として計画した簡易脳血流測定装置による状態評価については当初目標の定量性確保が困難であった。本研究では「用意された」被験者ではなく、「生活している」被験者を対象としたことから日常動作に伴う微妙な血流ノイズの影響が出たためである。 以上の成果は、ロボットの導入により初めて可能になった機能などを中心に、端緒となったアニマルセラピー研究者へも周知を図り、相互に補完する総合的なセラピー構築への道を拓いた。
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