2011 Fiscal Year Research-status Report
高齢者のQOL向上のための運転能力向上および見守りシステムの開発
Project/Area Number |
23500663
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
山田 宗男 名城大学, 理工学部, 准教授 (70509653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 倫明 名城大学, 理工学部, 教授 (70329770)
渡邊 晃 名城大学, 理工学部, 教授 (50360235)
旭 健作 名城大学, 理工学部, 助教 (70509372)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | support of the elderly |
Research Abstract |
平成23年度は,当初の研究計画通りに検討および検証を進め,高齢者運転能力の向上手段に関しては,その訓練内容および訓練手法の検討を行った.この成果は,計測のみに留まっていたこれまでの状況を前進させ,支援システムとしての意義を新たに持たせられるものであり,高齢ドライバの支援システムとしては革新的なものである.一方,高齢ドライバを遠隔にて見守ることを可能とする車両通信技術に関しては,高速移動通信を可能にする認証と暗号化手法を検討し,携帯電話通信網とインターネットを介しての手段としては,新規性かつ独創性が高く,新たな通信手段としての意義も高いと考えられる.各々に対する具体的な項目と概要については以下のとおりである.(1)高齢者運転能力向上のための訓練内容および訓練手法の検討 : 訓練内容を具体的に検討し,PC上でのソフトウエアとして実現した.(2)訓練内容および訓練方法の有効性に関する検証 : 高齢被験者による基礎実験および検証を行い,収集データを解析することでその効果を確認した.(3)高速移動通信(移動車両)における認証と暗号化手段の検討 : 認証および暗号化プロトコルの検討を行い,PCサーバーによるシミュレーションシステムを用いて,その実効性と有効性を検証した.(4)移動時における通信持続性の確保手段の検討 : IPアドレスの変化を遮蔽する透過プロトコルを開発し,3)と同様にPCサーバーによるシミュレーションシステムを用いて,その実効性と有効性を検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度における研究達成度について,申請調書における研究計画の内容に基づき,各項目について以下順にまとめる.(1)訓練内容・方法の検討(達成率100%):高齢ドライバの運転能力向上が期待できる訓練手法について検討および具体化し,PC上でのソフトウエアとして実現した.(2)訓練内容,方法の有効性検証(達成率100%):(1)での成果である運転能力向上訓練ソフトウエアを用いて,高齢被験者による基礎実験および検証を行い,その効果を確認した.(3)訓練内容を組み込んだシミュレータ試作(達成率70%):上記(1),(2)の成果をドライビングシミュレータにソフトウエアとして組込むまでは当初の計画通りに達成したが,計測および訓練が可能なドライビングシミュレータシステムとして一連の検証を行うためには,ハードウエア的な改造の必要性が新たに持ち上がり(外部イベントや状態監視に対して,シミュレータ本体との連携を実現するためのインタフェースの追加が必要),次年度への課題として繰り越した.(4)訓練内容と有用性の実験(達成率50%):(1)での成果である訓練手法をソフトウエアとして実現し,その有効性を単体の機能として確認するまでには至ったものの,(3)での改良の必要性により,当初計画していたドライビングシミュレータシステムとしての検証実験は行えておらず,(3)と同様に次年度への繰り越し課題とした.(5)高速移動通信における認証と暗号化手段の検討(達成率100%):認証および暗号化プロトコルの検討を行い,PCサーバーによるシミュレーションシステムを用いて,その実効性と有効性を検証した.(6)移動時における通信持続性の確保手段の検討(達成率100%):IPアドレスの変化を遮蔽する透過プロトコルを開発し,(5)と同様にPCサーバーによるシミュレーションシステムを用いて,その実効性と有効性を検証した.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は,平成23年度の研究成果に基づき,実車両に搭載可能な車載システムとしての開発に力を入れつつ,以下の各項目についても検討を進める.先ずは,平成23年度の検討において懸案事項として挙がった問題(計測および訓練が可能なドライビングシミュレータシステムとして一連の検証を行うためには,ハードウエア的にドライビングシミュレータを改造する必要がある)について解決し,実験検証を行うためのシステム環境を整え,検証実験により得られたデータに基づき,改良を重ねていく.(1)運転能力向上訓練手法をソフトウエア的に込んだドライビングミュレータの有効性評価:訓練の内容(項目と必要時間),向上度のランク分けやその内容の有効性についての検証実験を繰り返し行い,改良を重ねる. (2)実車両に搭載可能なシステムの開発:(1)でシミュレータ用に開発したシステムをベースに,実車両に搭載可能なプロトシステムを試作し,その有効性について検証する.特に実用性との整合性を考慮した訓練時間の検討や得られる効果(向上度)について重点的に検討する. (3)認知症スクリーニングの可能性検討:運転能力の計測および評価によって,能力の低下だけに留まらず,認知症の早期発見につながる運転行動の検出可能性について検討を行う. (4)車載用通信ユニットの試作:平成23年度の成果である高速移動通信(移動車両)における認証と暗号化手段および移動時における通信持続性の確保手段を組み込んだ通信ユニットのプロトタイプを試作し,その性能に関して重点的に実験・検証を繰り返し行い,改良を重ねていく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度収支状況報告書の通り,23年度予算のうち100万円を24年度予算として繰り越した.この理由としては,研究課題の一つである「訓練内容を組み込んだシミュレータ試作」において,ドライビングシミュレータに運転能力向上のための訓練手法をソフトウエアとして実現するまでは当初の計画通りに達成したが,計測および訓練が可能なドライビングシミュレータシステムとして一連の検証を行うためには,シミュレータ本体をハードウエア的に改造(外部イベントや状態監視に対して,シミュレータ本体との連携を実現するためのインタフェースの追加が必要)する必要性が新たに持ち上がり,シミュレータシステムの製作が中断したことに起因する.この問題については既に対策の目処がついており,繰り越し予算内での改造施策を24年度に実施する予定である. 上述以外のものについては,当初計画通りに概ね進んでおり,申請調書の計画に沿って予算を執行する予定である.
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Research Products
(12 results)