2012 Fiscal Year Research-status Report
高齢者のQOL向上のための運転能力向上および見守りシステムの開発
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23500663
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
山田 宗男 名城大学, 理工学部, 准教授 (70509653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 倫明 名城大学, 理工学部, 教授 (70329770)
渡邊 晃 名城大学, 理工学部, 教授 (50360235)
旭 健作 名城大学, 理工学部, 助教 (70509372)
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Keywords | support of the elderly |
Research Abstract |
平成24年度もほぼ当初の研究計画通りに検討および検証を進め,高齢者運転能力の向上手段に関しては,昨年度に検討した訓練内容および具体的な訓練手法をドライビングシミュレータに組込み,実被験者による検証実験によってその有効性を確認した.運転模擬状況下でリアルタイムに高齢者の運転特性を計測し能力を評価可能なシミュレータは他に例が無く,高齢者の運転支援システムとしては革新的なものであり,高齢者の社会への積極的な参画への意義を新たに持たせられるものである.さらに,高齢者が引き起こしやすい事故の状況を調査し,開発したシミュレータ上で再現することで軽度認知症のスクリーニングの可能性についても検討した.一方,高齢ドライバを遠隔にて見守ることを可能とする車両通信技術に関しては,スマートフォンをキーデバイスとした通信手段を確立し,そのプロトタイプシステムを構築した.携帯電話通信網とインターネットを介しての手段としては新規性かつ独創性が高く,新たな通信手段としての意義も高いと考えられる.各々に対する具体的な項目と概要については以下のとおりである. (1)訓練内容を組み込んだシミュレータの有効性評価 : 運転能力向上の訓練内容をドライビングシミュレータ上に組込み,その有効性に関する実験検証を行った. (2)車載用の訓練内容の開発と有効性評価 : 上記開発した運転能力向上シミュレータにより,高齢被験者による検証実験を実施し,収集データを解析することでその効果を確認した. (3)認知症スクリーニング方法検討 : 軽度の認知症高齢者が実際に引き起こした事故の場面および状況について調査し,スクリーニングの可能性および手法について検討を行った. (4)車載用通信ユニットの試作 : 昨年度検討した通信プロトコルに基づき,スマートフォンによる通信システムを試作し検証を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度における研究達成度について,申請調書における研究計画の内容に基づき,各項目について以下順にまとめる. (1)訓練内容を組み込んだシミュレータの有効性評価(達成率100%):高齢ドライバの運転能力向上訓練手法をドライビングシミュレータ上に組込み,その有効性に関する実験検証を行った. (2)車載用の訓練内容の開発と有効性評価(達成率100%):(1)での成果であるドライブシミュレータを用いて,高齢被験者による検証実験を行い,その効果を確認した. (3)認知症スクリーニング方法の検討(達成率100%):軽度の認知症高齢者が実際に引き起こした事故の場面および状況について調査し,スクリーニングの可能性および手法について検討を行った. (4)車載用通信ユニットの試作(達成率100%):昨年度検討した通信プロトコルに基づき,スマートフォンによる通信システムを試作した.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は,これまでの研究成果を整理して更なる改良検討を行うと共に,開発したドライビングシミュレータシステムによる検証実験を引き続き行う.また,実車両に搭載可能な車載システムとしての開発に力を入れつつ,以下の各項目についても検討を進める. (1)運転能力による認知症スクリーニングの可能性検討:昨年度検討したスクリーニング手法に基づく検証実験を行い,収集したデータを解析することでその可能性についての検討を行う. (2)自動車学校での活用:開発したシミュレータシステムを地区の自動車学校(中にひん自動車学校)の教育責任者に見学・体験して頂き,実用化に向けての意見収集および指導を受ける. (3)過疎地や限界集落での活用模索:高齢者の独り暮らしや核家族化が進んでいる限界集落などにおける高齢者への安全教育や関連活動を調査し,本提案システムの活用可能性について検討すると共に,意見交換やPRを実施する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度収支状況報告書の通り,当初計画にて概ね進んでおり,平成25年度も申請調書の計画に沿って予算を執行する予定である.
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Research Products
(16 results)