2013 Fiscal Year Annual Research Report
切断肢の粘弾性分布に対するソケット形状の適合に関する研究
Project/Area Number |
23500669
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Research Institution | 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) |
Principal Investigator |
高嶋 孝倫 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 義肢装具技術研究部, 義肢装具士 (00425654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 隆 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 義肢装具技術研究部, 義肢装具士 (40415360)
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Keywords | 大腿義足 / ソケット / 生体計測 |
Research Abstract |
これまでの研究の経過 ①本研究は切断端のモデル化が必要であり,当初,3次元デジタイザーを用いて切断端表面の座標を取得し,これを用いた手法で研究を開始したが,より高精度なMRI撮像からの座標取得が可能となり,これを用いたモデル構築を行った.義足ソケットを装着した状態での撮影となるため,ケミカルシフト等のアーチファクトが問題となるが画像処理によりこれを回避した.②下肢切断を受けた被験者の協力によって切断端のサーフェースモデルを構築し,さらに切断端内部の脂肪,筋,骨等の組織構成を分離する解析を行った.横断面画像毎の面積比を導出し,長軸方向に加算する手法によって体積比の同定を行った.③ソケット装着の有無,及び異種のソケット装着時における切断端の形状変化を定量化し,同時に切断端内部組織別の配置・形状変化について解析を試みた.④切断端の弾性を機械式計測器を用いて計測し,弾性分布の定量化手法を確立した.最終目標である義足ソケット装着による切断端の形状変化と弾性値との相関について解析を試みた. 研究の成果 ①ソケット装着時と非装着時の切断端の形状変化からソケットによるコンプレッション値を定量化し,弾性変化との関係からコンプレッション値の最適値について考察を行った..②切断端のMRI画像から内部組織の組織構成を解析し,組織構成と弾性値の関連性を確認した. 現状の義足ソケット製作工程においてコンプレッション値は義肢装具士の経験と技術によって推定され,患者の切断端への試着を繰り返すことによって調整されており,技術と時間を必要とする.本研究の結果は切断端内部の組織によって弾性とコンプレッション値との相関を解析したものであり,数値的指針の考察に至ったことは義足ソケットの適合までの時間短縮という観点から有意義である.
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Research Products
(3 results)