2011 Fiscal Year Research-status Report
他動運動機器の使用が下腿部浮腫に及ぼす効果に関する研究
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23500670
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
本間 敬子 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 主任研究員 (90357971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
薄葉 眞理子 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (60203527)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | リハビリテーション |
Research Abstract |
本研究では、機器を用いた他動運動が末梢組織の循環状態に与える影響に関する研究の成果を踏まえて、他動運動機器の使用が下腿部浮腫に及ぼす効果について、実験的に明らかにすることを目的とする。本年度は以下を実施した。過去に脳血管疾患に罹患して後遺症により足部に浮腫が生じているが、実験の参加に支障がない健康状態である人(以下「脳血管疾患罹患者」と記す)を被験者として、日常生活の中で下腿の血流量、皮膚温、関節角度、筋電等の生体信号及び室内の温度等を計測し、生体信号の日内変動と、室温などの環境パラメータの変動との関係について評価を行うための準備を行った。具体的には、被験者実験の実施の前提条件となる倫理審査に対応した。また共同研究者は、車いす常用者の足部体積を座位で計測することが可能な、足部浮腫測定器を設計し製作した。この足部浮腫測定器を用いて、脳血管疾患罹患者の循環状態の日内変動を計測するためのプロトコルについて、共同研究者とともにプロトコル案を作成した。健常者を被験者として安静により模擬的に下腿がむくんだ状態を作り、他動運動を実施して生体信号計測および下腿の寸法計測を行い、他動運動の適用によって下腿の状態がどのように変化するかを実験により評価するための準備として、他動運動機器の使用が下腿部浮腫に及ぼす効果を表す指標に関して、関連する研究で用いられている指標の調査を行った。低速で作動する機器と連続的に接触する際に皮膚等の身体組織が受ける影響についての基礎的な検討として、外力を受けた際の皮膚や皮下組織等の変形特性に関する研究の調査を行った。他動運動による身体組織への影響については、身体組織に外力を及ぼすことによるリスクと、外力が末梢循環状態に及ぼす影響という二つの観点から検討することとした。本年度は主に前者の観点から、皮膚の変形及びよりマクロな身体組織の変形に関する文献の調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究で予定している実験の実施に先立ち、研究実施者が所属する各研究機関および実験実施場所となる施設が実施する倫理審査に対応したが、最終的な承認までに時間を要したため、年度内の実験の実施が困難となった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に作成した足部浮腫測定器を用いた計測プロトコルを実験計画に加えて、再度倫理審査に臨む。承認が下り次第、平成24年度に実施を予定している生体信号の季節間変動に関する評価と、前年度に実施予定だった生体信号の日内変動に関する評価を合わせて実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計画していた被験者実験が年度内に実施できなかったため、平成23年度の実験に使用する予定だった経費を平成24年度に実施する実験に使用する。
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