2013 Fiscal Year Annual Research Report
現象学的運動学の可能性-身体教育としての運動指導を目指して-
Project/Area Number |
23500684
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
瀧澤 文雄 千葉大学, 教育学部, 教授 (50114294)
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Keywords | 身体教育学 / 身体性哲学 / 運動実践 / 思考の論理 / 現象学 |
Research Abstract |
最終年後であることから、現象学的運動学全体の構造を検討し、個々の内容を再検討した。すなわち、なぜ現象学的運動学が必要なのかについて、意図との関係を含め人間の運動そのものの意味を再検討することによって、新たな現象学的運動学のより整合的な論理構成について考察した。人間の運動は物の運動とは異なって、ある意図のもとに世界との関係を築く実践であり、身体の能力はその運動実践によって、賢い[からだ]として育っていく、ということもまた明らかとなった。よって、その運動実践を通して身体を教育しなければならないであろう。さらに、本テーマの重要な課題である方法に関しては、現象学的観点を持つ運動学について検討を加えた。その結果、それらの方法は体育現場にとって活用難解な状況があり、その対応として3段階の現象学的方法の枠組みを提示することができた。 本テーマについての3年間の研究において、身体教育のための現象学的運動学の必要性と基本的枠組み、その運動学に不可欠な体育における現象学的方法について、暫定的ではあるが提示することができ、研究成果を公表することができた。当初の年次計画は変更せざるを得なかったが、研究計画はおおむね達成できたと考える。しかし、具体的な現象学的運動学の内容は、時間不足のため取り纏めることができなかった。
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Research Products
(2 results)