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2011 Fiscal Year Research-status Report

「身体教育(体育)によって育てる間身体性」の解明

Research Project

Project/Area Number 23500688
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

石垣 健二  新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (20331530)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2015-03-31
Keywords間身体性 / 間主観性
Research Abstract

本研究課題の最初の成果として,2011年7月に日本体育学会体育哲学分科会夏期研究会において「体育学において『間身体性」を問うための予備的考察」を口頭発表した.この研究は,「同タイトル-副題:「間主観性」の概念についての検討-」として,体育哲学研究第42号(2012.3月発行予定)に掲載予定である.本研究課題は,体育(身体教育)およびその他身体運動によって間身体性が育成されるその根拠をつきとめようとするものであるが,その前提として間身体性の理論的基盤となる間主観性の概念について,その問題領域を整理しておく必要があった.間主観性の概念は,主に哲学,社会学,発達心理学,精神分析学等の領域において議論される難解な概念である.本研究では,それら領域の間主観性の概念を整理した結果として,間主観性の問題領域として次をあげた.1.具体的な他者についての問題.2.抽象的な他者についての問題.3.他者のとの友好関係および親密性についての問題.4.「他者をいかにして語りうるのか」という問題.5.間身体性との関係の問題.これら問題領域は,次年度以降間身体性の概念を検討する際に,分析の視点となるものである. また,第二の成果として,2011年9月には「『体育哲学の立場からみた体育授業の成果と課題-現象学的方法の可能性」を口頭発表した.本研究では,体育や身体運動を科学的に分析する研究法を批判的に検討したうえで,それらの研究法が見落とす部分に焦点をあてる必要があること,そしてその部分を記述する方法として現象学的方法がもつ可能性を検証した.本研究課題をすすめるにあたり,この現象学的方法は有効な研究方法論となる.今後,現象学的方法を具体的な手順として示す必要があるだろう.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現代の社会・教育においては,他者との「かかわり」が重視され,他者と「わかり合う」ということが重要な課題となっている.しかしながら,そこでの営みは人間の理性や知性に頼った間主観的なわかり合いを意図するものであり,その限界が表面化している.そのような状況において,本研究は,間主観的にではなく「間身体的なわかり合い」ということに注目しながら,「他者を身体的にわかる」ということの意味を明らかにするとともに,間身体性が身体運動の実践(身体教育)によって育つその構造を解明しようとする. したがって,まず研究初年度に,間身体性の理論的根拠となっている間主観性の概念の検討・分析がおこなわれ,その問題領域を定められたことはおおきな意義を有している.また,研究の方法論として,現象学的方法について検討されたことの意味も大きい.というのも,今後間身体性について論じる際には,科学的・客観的分析とは異なる方法論が必要となるからである,

Strategy for Future Research Activity

研究初年度は間主観性の概念の問題領域を整理したので,その視点を手がかりにして,間身体性の概念の分析をすすめることになる.特にM.メルロ=ポンティの身体論を参考にしながら,体育学の分野において間身体性の概念がいかなる意味をもつかが検討されなければならないだろう.間身体性の概念の検討については,日本体育学会(体育哲学領域)もしくは体育・スポーツ哲学会において,口頭発表をするつもりである. また同時に,間身体性の概念の検討と並行し,体育学において間身体性が問題にされる場合には,体育(身体教育)や身体運動の実践のなかの何に注目するべきであるかを探る必要がある.このことに関わって,P.J.アーノルドや滝沢文雄が提示している「ムーヴィセプト」や「下位動作」の概念を検討しながら,身体運動の際に生じる「身体的な感じ」を概念化したうえで「身体的経験」の領域を示したいと考えている.この研究については,国際スポーツ哲学会において,口頭発表をするつもりである.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

1.哲学・現象学,教育学・教育哲学,体育・スポーツ科学関係の最新図書および資料を購入予定(物品費:15千円)2.研究成果の発表および資料収集,研究協議のため,国際スポーツ哲学会(ポルトガル),体育・スポーツ哲学会(大阪),日本体育学会(神奈川),千葉大学の研究会(千葉)等に参加予定(旅費:550千円).またすでに前年度中に,ケルン体育大学「ドイツ)において資料収集をおこなっている(400千円)3.国際スポーツ哲学会では,口頭発表のための原稿翻訳・校正費を予定(謝金:100千円)

  • Research Products

    (3 results)

All 2012 2011

All Journal Article (1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 体育学において「間身体性」を問うための予備的考察-「間主観性」の概念についての検討-2012

    • Author(s)
      石垣健二
    • Journal Title

      体育哲学研究

      Volume: 42 Pages: 未定

  • [Presentation] 「体育哲学」の立場からみた体育の授業研究の成果と課題-現象学的方法の可能性-2011

    • Author(s)
      石垣健二
    • Organizer
      日本体育学会第62回大会(体育科教育学専門分科会シンポジウム)
    • Place of Presentation
      鹿屋体育大学(鹿児島)
    • Year and Date
      2011.9.
  • [Presentation] 体育学において間身体性を問うための予備的考察ー哲学および社会学における「間主観性」の概念の検討ー2011

    • Author(s)
      石垣健二
    • Organizer
      日本体育学会体育哲学専門分科会
    • Place of Presentation
      箱根静雲荘(神奈川)
    • Year and Date
      2011.7.

URL: 

Published: 2013-07-10  

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