2011 Fiscal Year Research-status Report
身体感覚能力の向上を目指した「なわとび連鎖交互回しとび」のデジタル教材開発
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23500690
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
上原 三十三 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (50293733)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | なわとび運動 |
Research Abstract |
なわとび運動における「連鎖交互回しとび」は,体育授業において「巧みな動き」ができる能力と体力向上,コミュニケーション能力の育成が期待できる教材であるが,その指導方法論が確立されておらず,練習法と映像資料,指導プログラムおよび授業モデルの開発が求められている。 本年度は,まず教材の全体像を明らかにすることを目指して,「連鎖交互回しとび」の基本形態と発展形態を明らかにして体系化することを研究課題とした。分析の観点として「連鎖交互回しとび」の運動形式の基本構成要素を,(1)連結(連鎖),(2)交互回し,(3)同時回し,(4)入れ替え(並び替え),(5)転向(ひねり),(6)交差,の6要素を措定して,それらの要素に基づいて「連鎖交互回しとび」の類化形態を構想した。そして,これら構想された類化形態の達成可能性を実験指導によって確認し,被験者の動感に関する内観報告と課題解決の仕方を資料にして技の分類作業を行った。その結果,「連鎖交互回しとび」は,「二人連結とび」を基本形態にして,連結数増大と並び替えの方向性をもって発展形態が構成されることが明らかになった。また,並び替え系の動作には,(1)回旋動作が同時回し動作と交互回し動作との間で移行する形式,(2)転向動作によって回旋方向を変化させる形式,(3)交差とび形式,の3種類の存在が確認された。これら3つの運動形式は,発展形態の学習のための予備的技能になるものと考えられた。 実験指導において,交差とび形式を伴って並び替えを行う場合には一本のなわを複数人でとぶ形式も達成可能であることも新たに示された。この類化形態の体系における位置づけ作業については,今後の研究課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3カ年研究の全体計画の概要は,(1)「連鎖交互回しとび」の技術分析と運動形式の体系化,(2)「連鎖交互回しとび」の学習過程の作成と検証,(3)問題事例の対処法の整理と学習ステップのデジタル教材化,の3つに分けられる。 本年度は,この3段階のうちの第1段階である技術分析と運動形式の体系化作業のための資料の大部分を収集することができ,またその成果を学会発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に行った実験から収集した映像資料において,鮮明でないものが散見された。この補正資料を次年度の研究において収集する必要が生じたため,それに必要な物品等の予算を次年度に繰り越した。 今後,各学校の通常授業期間に加えて夏期休業期間も活用して精力的に資料収集を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は「連鎖交互回しとび」の学習過程(単元計画)の作成と検証および問題点整理のために実証実験として授業実践を行う。 これに必要な撮影用ウェアとビーズロープ等の購入費に研究費の約2/3を当て,残り約1/3を交通費等に当てる。
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