2012 Fiscal Year Research-status Report
スポーツ・リテラシー教育とジェンダーに関する国際比較研究
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23500693
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
海野 勇三 山口大学, 教育学部, 教授 (30151955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鐘ケ江 淳一 近畿大学九州短期大学, 保育科, 教授 (90185918)
中島 憲子 中村学園大学, 教育学部, 准教授 (00301721)
黒川 哲也 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (50390258)
續木 智彦 西南学院大学, 人間科学部, 講師 (60468791)
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Keywords | 国際情報交換 韓国 台湾 / ジェンダーギャップ / 学びの履歴 / スポーツリテラシー |
Research Abstract |
平成24年度(本研究の第2年次)は、学校階梯が上昇するのに伴って体育授業の学習成果次元でのジェンダーギャップが大きくなる原因と背景を探るべく、日本および韓国において中学2年生を対象に「学びの履歴」調査およびスポーツ観調査を実施した。その結果次のような実態が追認された(日本のみ)。①学習成果次元では、「実践的知識」・「楽しさ感得」・「運動有能感」因子で男女に有意な差が認められる、②学習への構え次元では、「教え合い」・「規律遵守」因子で女子が、「積極的学習」因子で男子が有意に高かった、③学習への構えタイプで見ると、男子は「息抜き志向型」、女子は「消極的参加型」で有意に高かった、④スポーツ像では、「勝利志向」「技術・戦術」・「伝統」・「科学志向」因子で男子が、「努力志向」・「規範意識」で女子が有意に高かった。 また、台湾においても同様の調査を実施するべく、現地の研究者及び現職教師の協力を得て調査票を作成し終えた。 本年度の研究を通じて、体育授業において【「消極的参加型」の学習への構え⇒学習成果次元の低得点⇒「体育教科に対する有用さの認知」の低下】という「学習の負のスパイラル」に陥る女子児童・生徒の存在が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第2年次は、調査対象国・地域において本調査を実施することとしていたが、日本および韓国において調査が完了し、また、台湾においてはすでに調査票を完成させたという意味でおおむね予定通りに研究活動は進展している。ただ、当初調査対象国・地域に中国を含めていたが、両国の政治状況の悪化のために調査研究を進展させることができなかった。 また、台湾の現地研究者との共同研究の成果として、台湾運動休閒産業管理学会(2012年4月28日;建国科技大学)において「Urgent Issues in Actual Conditions of Physical Education Class in East Asia」と題する研究報告を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年次となる平成25年度は、台湾において調査を実施すること、および日本、韓国において追加調査を実施することが課題である。これらの課題はすでに現地研究者との間で競技と準備が進められており、予定通り遂行されるであろう。加えて、調査データの分析・考察も同時進行で進めていく予定である。なお、中国については日中両国の政治状況に加え、最近の鳥インフルエンザの流行も懸念されるため、調査対象から除くことも考えておかなければならない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、諸般の事情で調査対象国としていた中国への渡航を見合わせたこと、および台湾で実施する調査の調査票作成経費を使用しなかったことで、25年度に使用することとなった。最終年度の25年度は韓国および台湾において調査の実施を予定しており、実施過程のモニタリングと現地との協議のための旅費が必要となる。また国内においてデータの分析と考察のためのプロジェクト会議、さらに研究成果を学会で報告するための旅費が必要になる。
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Research Products
(2 results)