2013 Fiscal Year Research-status Report
体育教師の運動指導力向上を目的とした養成・研修プログラムの内容開発
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23500697
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
三輪 佳見 宮崎大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (00182064)
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Keywords | 運動指導論 |
Research Abstract |
異校種が連携して行ったネット型ボールゲームの系統的指導の成果を、「小中一貫・連携教育の実践的研究」の一部としてまとめ出版した。子どもの実態に応じた指導内容を開発し、授業を計画・実践していくという、運動指導力を高めるために有効な資料を作成できた。さらにゴール型ゲームについても、小中連携の具体的な指導内容を、授業実践も含めて検討を進めた。 また、体育教師の養成・研修に利用できるような運動指導の事例をまとめ、体育の専門的な商業雑誌に掲載した。内容としては、「体つくり運動」の領域では「跳び下りる」ことを取り上げ、落ちる衝撃を受け止める動きをどのように指導するか、子どもの運動発達の知見に基づいた具体的な課題と指導実践例を紹介した。次に、「受け止める」という動きを、一般的な足ではなく、手に着目し、その系統的段階的な指導から、ダイビングヘッドの学習に発展させる指導体系について、実践事例を示しながら、運動の終わりの局面を指導する重要性を指摘した。さらに、「受け止める」のではなく、反対に「弾み返す」という動きとして、足で弾み返す動きについては、ハードル走を取り上げ、24年度の構造体系論的な分析に基づいて実施した指導例を論文にした。手で弾み返す運動については、跳び箱運動の中核的な指導内容であることを指摘し、学校の体育授業で行われている「開脚跳び」の指導に関する問題を、体系論の立場から明らかにした。その他、水泳領域では、24年度に発表したクロールの指導を取り上げ、子どもの感覚に合わせた課題の設定、課題の達成を助ける教具の開発について、実践例を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24年度に実践的に研究にとりかかった陸上競技のハードル走や水泳のクロールの指導について、商業雑誌ではあるが、体育の専門誌に論稿を掲載することができた。その他の領域についても、この雑誌に掲載を進めており、運動指導力向上を目的とした体育教師の養成・研修の内容として、指導事例がそろいつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
運動指導の事例を増やし、体育教師の養成・研修プログラムとして活用できる資料の充実を図るとともに、平成26年度は本研究課題の最終年度にあたるため、これまでの研究成果を論文にまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ドイツのバル・シューレを訪れる計画であったが、大学における業務との兼ね合いで、中止せざるを得なかった。国内における研究資料の収集にとどまったことから、旅費が減額され、次年度使用額が生じた。 体育教師の養成・研修プログラムの内容に関わる資料を充実させるために、引き続き宮崎大学教育文化学部附属校スポーツ・体操教室、学部と附属校園の共同研究を行い、指導事例をまとめていく。スポーツ・体操教室では、直接的な指導は研究代表者が行うことから、その指導の意図が子どもたちにきちんと伝わり、用具の準備、運動する際の用具の使い方など注意がいきわたるように、学生を指導アシスタントとして雇用するため、平成25年度とほぼ同額の謝金が必要になる。また運動指導に必要な運動指導用具、あるいは記録を保存するための消耗品を購入する。 研究資料収集、研究成果の発表を、日本スポーツ教育学会や日本スポーツ運動学会など国内の運動指導関係の学会で行う。 さらに、これまでの成果をまとめ、他大学の研究者との共同研究に発展させるために、研究の打ち合わせを行う。そのための旅費と資料の印刷代を支出する。
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Research Products
(12 results)