2011 Fiscal Year Research-status Report
身体表現による幼小連携カリキュラム構築に関する研究
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23500698
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
高野 牧子 山梨県立大学, 人間福祉学部, 准教授 (30290092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀井 啓幸 山梨県立大学, 人間福祉学部, 教授 (30190234)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ダンス教育 / 表現遊び / 敷地の隣接 / 教員間の相互理解 / 地域での結び付き / カリキュラムの位置づけ |
Research Abstract |
平成23年度は、日本の幼稚園および小学校における「幼小連携」の実態と、「身体表現」教育の現状を把握することを目的に、下記の幼稚園、小学校において、観察調査を実施した。さらに、次年度のイギリスでの調査に向け、これまでの資料を基にイギリスのカリキュラムを検討し、保育学会で発表した。(1)幼小連携の実態把握について山梨大学附属幼稚園における幼小連携活動「ザリガニつり」(2011.5.26.)を観察調査し、年長児と小学校1年生が一緒にザリガニつりを行い、互いに協力してザリガニを発見し、釣りあげる工夫を考え、協働する力を発揮していた。敷地も隣接し、連携が取りやすい環境であるが、教員間の連携は難しい面もあるということだった。また、川口市立舟戸幼稚園における第1回調査(2011.6.29)では、幼稚園児、小学生が一緒に通園、通学してくる様子や小学校1年生が幼稚園訪問し、招待状を園児へ渡す場面を観察し、園長の考え方などをお聞きした。第2回調査(2011.11.4)では、「平成22・23年度川口市教育委員会委嘱学校間連携教育研究発表会」に参加し、幼・小・中連携の実態を学んだ。(2)「身体表現遊び」「表現遊び」「表現運動」の授業実践は、1年生7名、2年生10名の小規模校である山梨県三富小学校「表現遊び~動物ワールドで楽しもう!!」の授業を観察調査した。幼児期から地域での結び付きも強く、異年齢でも仲良く、協力して表現することができていた。また、お茶の水女子大学附属小学校の「表現運動」の授業実践及び研究討議に参加した。幼小連携で表現活動を行った実績はまだない。(3)イギリスでのカリキュラムについては、0歳児から5歳児、そして5歳児入学以降の各ステージにおいて、ダンス教育は明確にカリキュラムに位置づけられている。2004年調査した幼稚園、ダンススクールでの実態を検討し、その特徴をまとめ、保育学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本における調査研究を4か所で実施し、我が国における幼小連携の実態や課題を把握することに努めた。幼稚園、小学校での教職員の相互理解(カリキュラム理解だけでなく、そのための研修時間の確保や人事のあり方を含む)がカギであり、地域での異年齢児同士での結び付きも重要な要素だと考えられる。 また、次年度のイギリスでの調査に向け、イギリスでのナショナル・カリキュラムからダンス教育の位置づけを検討し、2004年に調査した幼稚園、ダンススクールでの活動内容などの特徴をまとめることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.ロンドンでの調査研究 イギリス、ロンドンを中心に2012年9月10日より1週間、調査を予定している。これまでの研究実績を活かし、現在、イギリスのダンス教員の団体(NDTA)および、ダンス教育者を輩出しているLABANに調査研究協力を要請している。ダンス教育が幼稚園、小学校でどのように具体化され、その内容がなめらかな接続となっているか、また、教育環境、教員間の相互交流、相互理解などについて具体的に調査する。さらに、関係省庁や支援機関への聞き取り調査も予定している。2.日本における継続的調査研究及び実践的研究 鳴門教育大学附属幼稚園、小学校での取り組みと昨年度に引き続き、川口市立舟戸幼稚園での調査研究を予定している。 また、進んだ幼小連携が行われている実践だけでなく、身近に実施されている事例なども観察調査の対象とすると共に、「八代子どもフェスティバル」(2012.10.28.予定)において、幼児から小学生までが参加できる身体表現活動について地域での実践を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度は書籍及び調査研究の旅費に使用したが、必要最低限の備品に留めた結果、51万円の未使用見込額がでた。平成24年度は平成23年度分を繰り入れ、研究者のロンドンでの旅費2名(航空代、7日間の宿泊代を含む)、および通訳者、見学施設、研究協力者への謝金、研究調査結果の整理のためのアルバイト料として使用する予定である。
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