2012 Fiscal Year Research-status Report
身体表現による幼小連携カリキュラム構築に関する研究
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23500698
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
高野 牧子 山梨県立大学, 人間福祉学部, 教授 (30290092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀井 啓幸 山梨県立大学, 人間福祉学部, 教授 (30190234)
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Keywords | イギリス / 国際情報交換 / 接続期教育 / ダンス教育 / カリキュラム / インタビュー / 訪問調査 |
Research Abstract |
平成24年度はイギリスでの「幼小連携」や「身体表現」教育の現状を把握することを目的に、下記のインタビュー調査およびイギリスの保育園、小学校への訪問調査を実施し、その成果は舞踊学会で発表し、論文にまとめた。 (1)インタビュー調査は、①イギリス教育省(Chris Barnham他、5歳からK1のEYFSのアセスメントの専門家への調査)。2012年9月11日実施。②NFER(National Foundation for Educational Research)(幼児教育部門担当者Caroline Sharpへの調査)2012年9月14日実施 (2)訪問調査(2012年9月13日~14日)は、①All Saint’s Primary School in Blackheath ②Blackheath Montessori Center ③All Saints' C of E Primary School in Wimbledon 調査から示唆される点は主に以下の3点である。 ①小学校開始年齢の低年齢化としての「レセプションクラス」の位置づけ:レセプションクラスは遊び中心で、細かな時間の区切りもない。子どもたちは自分が選んだ遊びを自分がやりたい時間続ける事ができる。②「Year1」の「なだらかな」教育活動:Year1では小グループによる文字の学習なども始まるが、基本的には遊び中心で、子どもに選択権がある。このような状況を続け、2週間を目途に徐々に学習の部分を増やしていく。このように徐々に学習へとつなぎ、「なだらかな」接続が図られていた。③人的条件など支援体制の充実:担任だけではなく、コミュニケーションスタッフや補助教員、幼稚園から加配されたラーニングメンターが子どものことを熟知した専属スタッフとして配属され、大きな環境の変化によって子どもが傷つかないように特別に配慮されていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24度はイギリスでの調査研究を主として予定していた。調査実施した9月には、イギリスではちょうどナショナルカリキュラムが見直された。改正の発表直後に教育省でインタビュー調査することとなり、タイムリーにインタビュー調査を実施することができた。 また、具体的な訪問調査も、新学期が始まるときであり、具体的な事例を3か所で得ることができ、イギリスの調査研究については、大いに貴重な研究成果を挙げることができたと認識している。 また、得られた結果を学会で口頭発表し、興味深いとの感想を多くいただいた。さらに、ダンス教育と接続教育について2つの論文にまとめることもでき、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
アメリカでの実態調査研究は、ダンス教育が学校のカリキュラムの枠組みの中では不活発で、放課後のクラブ活動として盛んである現状がアメリカ在住の研究者より報告されている。学校教育のカリキュラムの枠組みの中での接続期のダンス教育の在り方をみるにはアメリカは対象から外すべきか、検討課題である。さらに、諸外国にも視点を向け、研究を広げていき、より広く情報を収集するために、国際会議へ参加することとした。 また、イギリスの接続期のカリキュラムについては、さらに調査を進め、昨年変更した点がどのように具体化したか、実態調査をすべきであり、再調査を計画し、方法を検討する。 最終年度である平成25年度は、これまでに収集した多くの貴重な資料や調査結果を基に、発表するとともに、研究をまとめ、論文および報告書として広く公表していくように進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の未使用額約22万円を繰り入れ、下記のように使用する予定である。 物品費については、収集したデータ(映像データ等を含む)を整理する目的で、新たにPCを1台購入する。旅費については、IAPESGW(The International Association of Physical Education and Sport for Girls and Women)が主催する第17回 国際会議(キューバ大会)に参加し、多様な国々の実情や研究について情報交換を行う。また、イギリスでの現地調査は可能な限り、引き続き実施し、カリキュラム改正後の情勢を把握する。 人件費については、新たな資料収集にあたり、通訳及び翻訳作業にかかる人件費に支出する。その他、印刷費として、3年間の研究について、論文及び報告書にまとめ、公表する。
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Research Products
(4 results)