2013 Fiscal Year Annual Research Report
身体表現による幼小連携カリキュラム構築に関する研究
Project/Area Number |
23500698
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
高野 牧子 山梨県立大学, 人間福祉学部, 教授 (30290092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀井 啓幸 山梨県立大学, 人間福祉学部, 教授 (30190234)
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Keywords | 幼小連携 / イギリス / 国際研究者交流 / 国際情報交換 / ダンス教育 / 専門家との連携 |
Research Abstract |
平成25年度はイギリスでの調査研究を基に、「イギリスにおける幼小連携の現状と課題(その2)-ダンス教育に焦点を絞って-」と題する論文をまとめた。ロンドンでのナーサリー及び小学校でのダンス教育の実践事例調査から学校側がカリキュラムを基に外部のダンス指導者へ指導内容を提示し、それに基づき、ダンス指導者が計画した活動内容はウォーミングアップから発表までテーマに一貫性があり、ダンス指導者の動きの模倣と子どもたちが即興的に組み合わせて自由に踊っていた。幼児期から小学校まで同じように繰り返し実践され、系統性が認められた。つまり、芸術家と学校が協働し、教育内容の連携と信頼関係の上で、子どもの創造性を高める質の高いダンス教育を展開していた。専門家と連携することでカリキュラムアーティクレーションが保たれている現状は、日本における学校支援ボランティアなどの活用のあり方に示唆を与えるものである。 また、2013年4月8日~4月14日キューバで開催された第17回国際女子体育連盟会議 (IAPESGW) に参加および研究発表し、世界各国の女性のダンス・スポーツの指導者、研究者と互いの研究情報を交換し、「幼小連携」について新たな知見を得た。さらに、キューバ国営の健康プログラムやデイケアセンター(2歳児から5歳児の保育施設)、小学校を視察し、一斉指導号令型の体育授業を幼児から小学校まで一貫して行っているキューバの実情を理解した。 本研究全体として、イギリスにおける小学校開始を低年齢化した「レセプションクラス」の遊び中心から徐々に学習へとつなぐ「なだらかな」接続、接続期の人的支援体制、ダンス教育のおける専門家の活用の実態を明らかにすることができた。このような幼児期から小学校への教育内容の連続性は、現在の日本では未着手であり、今後「幼小連携」のカリキュラム構築にむけて、貴重な資料となったと研究成果を評価する。
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Research Products
(4 results)