2013 Fiscal Year Annual Research Report
スクール・ベースト・アプローチによる小学校体育カリキュラム開発に関する研究
Project/Area Number |
23500699
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
丸山 真司 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (10157414)
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Keywords | スクール・ベースト・アプローチ / 体育カリキュラム開発 / Bewegte Schule / 運動文化論 |
Research Abstract |
本研究の目的は、スクール・ベースト・カリキュラム開発(SBCD)の方法的枠組みを用いて小学校の体育カリキュラム開発の方法の理論的な解明と実践的検討を試みることであった。 平成25年度は、主として研究課題領域II(「カリキュラム開発の理論仮説の設計」)、III(「小学校におけるSBCD方法の構築とモデルの創出」)に関わって、まず第一に体育カリキュラム開発の主体としての教師の位置づけや課題について、学校体育の正当化に向けての目標ー内容、手続き、組織という側面から明らかにした。SBCDによる体育カリキュラム開発における教師の重要な実践課題は、①子どもの把握と自身の体育像をつなぐこと、②目標(出口)像を描き「階梯ー学年ー単元」を構造化すること、③協働的専門性に支えられるカリキュラム開発の組織と「学校体育風土」を学内で構築することであることを明らかにした。 第二に、運動文化論を基盤とする学校体育の創造に関わって、「3ともモデル」(三つの実践課題=ともにうまくなる、ともに楽しみ競い合う、ともに意味を問い直す)とそれに基づく運動文化の学習モデルを構築した。その中でとりわけ「ともに意味を問い直す」授業づくりが今日の体育カリキュラム開発において重要であることを指摘した。 第三に、学校体育カリキュラム開発に関わって、地域や家庭を視野に入れた学校体育づくり、とりわけ教科外体育を学校体育カリキュラムの中に正当に位置づけ、実践を構築していくことが重要であることを学校体育研究同志会の戦後実践研究史や東日本大震災で被災した学校の体育実践から指摘した。 そして最後に3年間の研究を束ねて、小学校の体育カリキュラム開発の方法の理論的実践的課題を明らかにした。
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Research Products
(8 results)