2011 Fiscal Year Research-status Report
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23500707
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤井 勝紀 愛知工業大学, 経営学部, 教授 (10165326)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 初経遅延 |
Research Abstract |
韓国人女子スポーツ選手の初経遅延については、その実態を含め、研究知見がほとんど見られていないのが現状である。そこで、韓国人女子スポーツ選手においても同様の初経遅延が生起すると仮説されるために、韓国人女子スポーツ選手における初経遅延を明確にすることによって、日本、韓国を含め東アジア人女子スポーツ選手の初経遅延とその後の月経状況との関連性を検証するものである。そして、初経遅延と月経状況との関連性が明確にされれば、東アジア圏の女子スポーツ界に警鐘を促すことができるであろう。以上の目的を達成するために、平成23年度中に韓国釜山近郊を中心に、先ず対照群として一般女子高生に対して初経年齢に関するアンケート調査を実施した。同時に韓国においても日本と同様に健康診断システムがあり、身長と体重の縦断的発育記録を確保した。同様に体育専科高校の女子スポーツ選手に対しては初経年齢と同時に現在の月経状態に対するアンケート調査が実施された。もちろん、身長と体重の縦断的発育記録を確保することができた。得られた身長の縦断的発育データに対してウェーブレット補間法を適用してMPV年齢を特定し、そのMPV年齢に対して、アンケート調査によって得られた初経年齢の回帰多項式を1次から3次まで構成し、妥当な次数の回帰多項式を決定した。そして妥当な次数の回帰多項式評価システムが構築され、その初経遅延評価に韓国人女子スポーツ選手を適用した。その結果、明らかにスポーツ選手の初経遅延が示されている。また、スポーツ種目別の初経遅延判定の結果については、ほとんどの種目で初経遅延が明確であるが、アーチェリーのような競技では初経遅延と判断することはできない。明らかにテコンドー、陸上競技は初経遅延が認められているが、アーチェリーは初経遅延を示してはいない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、日本人女子を対象として女子スポーツ選手の初経遅延を検証してきたが、さらに、韓国人女子を対象とすることによってこれまでの研究成果の検証を行うとともに、新たに初経遅延後の月経状態との関係が解明される期待がある。この点は世界的にも全く手を付けられていない研究であり、初経遅延とその後の月経状態との因果関係が分かれば、女子スポーツ界に貴重な情報を提供することができると考える。そこで、現在までの研究の達成度は、発育データおよびアンケート調査による収集については、先ず、スポーツ選手群として体育専科の高等学校における3年の女子生徒の小学校1年から高校3年までの健康診断票に記載されている内容(身長、体重)が調査された。また、質問紙法による初経年齢の調査および初経年齢前後におけるスポーツ運動実践の状況等が調査された。そして、月経状態についてはインタビュー方式によって調査した。同様に、対照群として普通高校3年女子の小学校1年から高校3年までの健康診断票に記載されている内容(身長、体重)を調査した。これら収集したデータについてすべてパソコンに入力した。縦断的発育データについてはウェーブレット補間モデルを適用し解析された。解析されたデータから、韓国人女子用の初経遅延評価チャートを構築した。その初経遅延評価に韓国人女子スポーツ選手を適用した。その結果、明らかにスポーツ選手の初経遅延が示されている。また、スポーツ種目別の初経遅延判定の結果については、ほとんどの種目で初経遅延が明確であった。つまり、達成度としては韓国人女子用の初経遅延評価システムが大凡構築できたことにより、約60%の達成度が認められる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の本質的な目的は、韓国人女子スポーツ選手を対象とすることによってこれまでの研究成果の検証を行うとともに、新たに初経遅延後の月経状態との関係が解明されることである。しかし、スポーツ選手に限らず、一般女子の初経遅延にも大きな問題がある。また、韓国の教育加熱による睡眠不足の影響がメラトニン異常に発展し初経早経を生起する可能性もある。つまり、初経遅延、初経早経については多くの情報があるわけではない。例えば、肥満・痩身タイプの者の初経早経、遅延状態がどのようになっているのか全く分からないのが現状である。ただ、肥満の早熟性や痩身の晩熟性は指摘されている。しかし、成熟の早晩による初経の遅速は推測できるが、初経遅延や早経を客観的に評価することはできない。このような問題点も考えると、さらに、韓国の一般高校、体育専科高校以外の専門学校のデータも収集する必要がある。そこで、今後は、韓国の商業系専門学校を対象としてデータ収集を実施する、そして同時に初経遅延評価システムに適用して、初経遅延、初経早経の検証を実施する。また、一般女子を肥満、痩身タイプに分類し、それらの身体発育状況と初経遅延、早経の状態がどのような構図を示すか、その点も検証していく必要があろう。したがって、さらにデータを収集し、ウェーブレット補間モデルを適用して解析し、初経遅延評価システムの有効性を提示するとともに、これら成果を国際学会で発表することはもちろん、然るべき雑誌に投稿していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度においてもデータ収集は実施されるために、調査データの解析を遂行しなければならない。当然、研究協力者によってデータの解析が実施されることになり、そのための謝金40%は使用されることになる。また、データ解析によって結果が導かれた場合、韓国側との打ち合わせも必要であるが、自分が学位を取得した金沢大学の恩師の研究室に頻繁に出張することになる。そのための旅費も必要であるし、打ち合わせや会議費は是非必要となる。さらには、検討課題の解析が進むことによって導かれた結果の幾つかを学会で発表することになる。したがって、学会発表による成果発表費が必要となる。成果報告書を製本して韓国側の研究協力者や調査の協力をしてくれた高等学校等にフィードバックする必要があり、そのための費用は是非必要となる。主に、成果発表として学会発表が頻繁に行われることになり、次年度は海外での成果発表を行うことになっており、2012年度のアメリカスポーツ医学会、英国グラスゴーでのオリンピック国際スポーツ学会での発表が予定されている。もちろん、国内の学会、特に、日本体育学会、日本体力医学会、日本教育医学会、日本思春期学会、日本発育発達学会、日本生理人類学会等での発表を予定している。したがって、次年度の旅費は40%程度を必要とする。そして、成果発表については学会発表後、論文として然るべき学会誌に投稿する。そのための投稿費用、国際誌であれば英文チェック等の費用が不可欠となる。そして、アクセプトされれば掲載費用が必然的に必要となる。したがって、その他の支出としては20%程度になるであろう。
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Research Products
(2 results)