2011 Fiscal Year Research-status Report
スウィーピング・パフォーマンス評価のためのカーリングブラシの開発と応用
Project/Area Number |
23500713
|
Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
柳 等 北見工業大学, 工学部, 准教授 (60344553)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | カーリング / スウィーピング / 力測定 |
Research Abstract |
本研究は,カーリングの基本技能の一つであるスウィーピング中に発揮する力を測定する装置を開発し,スウィーピング・パフォーマンスの客観的評価システムの構築を目的としたものである.これはカーリング選手の育成・競技力向上,さらには競技の普及・発展に大きく貢献するものである.さて,平成23年度は,これまでに試作した有線式スウィーピング力測定装置に改良を施し,測定装置の性能の向上,操作性の向上,ブラシ速度検出,氷上での計測を目指した.まず,測定装置の性能向上を図るために,ブラシシャフト角度検出装置として角速度センサーを導入した.ポテンショメーターを利用した従来の装置ではスウィーピング力の水平成分の精度がやや低く,過小評価する傾向にあったためである.角速度センサーで得られるブラシシャフト角度とVICON三次元動作システムで計測した運動学的データに差がないことを確認したのち,新たな装置で測定したスウィーピング力とフォースプレートで測定した床反力を比較,検証した.その結果,スウィーピング力と床反力間には,垂直成分,水平成分とも有意な差は認められなかった.角速度センサーを取り付けた新たなスウィーピング測定装置を使用することによって,より高い精度でスウィーピング力を検出できることを確かめることができた. 次に,無線測定システム(日本光電マルチテレメータシステムWEB-5000)の導入を試みた.これまで使用していた箔ひずみゲージでは,ブラシ荷重(スウィーピング力)検出のための出力感度が従来と比較してかなり低いことが判明し,半導体ひずみゲージを利用して新たな測定用ブラシを製作した.しかし,半導体歪みゲージは低温には適さず,室温の低いカーリングリンクでは荷重検出には至らなかった.現在,出力感度を上げる工夫を施した箔ひずみゲージによる測定装置の製作を進めているところである.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「やや遅れている」としたのは,無線測定システムを利用した測定ブラシを製作できず,氷上で十分な測定結果を得ることができなかったためである.その一方で,角速度センサーによるブラシシャフト角度検出を可能にし,測定精度を高めことができたことは成果として十分に評価できる.また,スウィーピング時の床反力データと選手個人の体力を収集しており,スウィーピング力を客観的に評価するための基礎資料を蓄積している点は,今後研究を発展させていく上で評価できるものである.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は前半のうちに,無線測定システムを導入したスウィーピング力測定装置(無線式測定ブラシ)を完成させる.無線式測定ブラシを利用した氷上でのスウィーピング・パフォーマンステストとコントロールテストを実施する.スウィーピング力と体力との関係を明らかにすることを目指す.また,平成23年度で得られた研究成果の一部を,国際学会(2012 Congress of International Society of Biomechanics in Sports, Melbourne)と国内学会(日本バイオメカニクス学会,札幌市)で発表する予定である.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
コントロールテストで利用するスピードトラップ・ワイヤレスタイミングシステムを設備備品費から支出し,購入する予定である.無線測定システムを導入した測定ブラシを完成させるためのひずみヘッドアンプ,コントロールテストで利用するアナログ握力計,アナログ背筋力計等を消耗品費から支出し,購入する予定である. 平成23年度に得た研究成果を国際学会(2012 Congress of International Society of Biomechanics in Sports, Melbourne),国内学会(日本バイオメカニクス学会大会,札幌市)で発表するための旅費と参加費を旅費から支出する予定である. スウィーピングパフォーマンステストおよびコントロールテストに参加するカーリング選手30名の謝金,研究補助の謝金を謝金から支出する予定である. スウィーピングパフォーマンステスト等を実施するカーリングリンクの利用料,研究成果投稿寮をその他の費目から支出する予定である.
|