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2013 Fiscal Year Research-status Report

末端を加速するスポーツ動作における力学的エネルギー利用の有効性に関する研究

Research Project

Project/Area Number 23500723
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

飯野 要一  東京大学, 総合文化研究科, 助教 (50345063)

Keywords逆動力学 / 効率 / 投動作
Research Abstract

本研究の目的は、末端を加速するスポーツ動作における力学的エネルギー利用の有効性の観点から、効率的な動作についての知見を得ることであった。本年度は、昨年度行った野球の投動作に関する実験結果の分析を進め、力学的エネルギーの生成や移動と力学的エネルギー消費やリリース時のボールの運動エネルギーとの関係について検討した。
大学野球選手19名が、約3m前方の20cm四方の的を狙い、最大努力で野球のボールを投げた。光学式モーションキャプチャーシステムを用いて250Hzで動作を撮影し、2台の床反力計を用いて1000Hzで床反力を計測した。全身を15の剛体セグメントでモデル化し、各関節の関節力と関節トルク(力の回転作用)を算出した。
動作の効率性の指標として、1)力学的エネルギー消費と2)ボールリリース時の全身の運動エネルギーに対するボールの運動エネルギーの割合を算出した。関節トルクパワーの絶対値を積分した値として力学的エネルギー消費を求めた。積分区間は、前膝が最大の高さに達した時点からボールリリース時までとした。力学的エネルギー消費は、リリース時のボールの運動エネルギーと有意な相関があった。一方で、力学的エネルギー消費に対するリリース時のボールの運動エネルギーの比にはばらつきもあった。この比が大きい選手ほど、ストライド期の後股関節と膝関節トルクの力学的エネルギー消費が小さくなる関係が見られた。ストライド期に後脚を過度に屈曲伸展し、負と正の仕事を行うことは効率の悪い動作であることが示唆された。
全身の運動エネルギーに対するリリース時のボールの運動エネルギーの割合が高いほど、体幹上部の運動エネルギーのピーク時からボールリリース時までの体幹上部の運動エネルギーの減少率が大きいことがわかった。体幹上部の運動エネルギーを投球腕に伝える効率性が動作全体の効率の違いを生み出していることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

力学的エネルギー消費の観点から、動作の効率性に影響する特徴を明らかにできた。現在、体幹部で生成された力学的エネルギーを末端に移動させる際の効率的な動きの特徴について、特に体幹上部から上腕へのエネルギーの移動に着目して、分析を進めている。その分析に時間を要している。

Strategy for Future Research Activity

野球の投動作について、体幹部で生成された力学的エネルギーを末端に移動させる際の効率的な動きの特徴を明らかにする。トルク発揮のタイミングやトルクの発揮様式とエネルギー移動量の関係について調べる。
さらに、卓球のストローク動作と野球の投動作における力学的エネルギー利用の有効性について、共通点と相違点について検討し、末端を加速するスポーツ動作における力学的エネルギー利用の有効性に関する知見をまとめる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

本来今年度に論文投稿を予定していたが、分析の遅れからできなかった。また、海外学会での成果発表を予定していたが国内発表に切り替えた。このため旅費が予定より少なくなり次年度使用額が生じた。
現在進めている論文作成のための、参考文献購入費と英語論文校正費に当てる予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 野球の投球動作における力学的エネルギー利用の有効性

    • Author(s)
      飯野要一
    • Organizer
      日本体育学会
    • Place of Presentation
      立命館大学

URL: 

Published: 2015-05-28  

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