2013 Fiscal Year Annual Research Report
運動が感情を育てる:運動経験の島皮質脳内ネットワークへの影響
Project/Area Number |
23500724
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小谷 泰則 東京工業大学, 社会理工学研究科, 助教 (40240759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 源信 東京工業大学, その他部局等, 名誉教授 (20108202)
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Keywords | スポーツ心理学 |
Research Abstract |
近年、機能的磁気共鳴映像法(fMRI)などの脳イメージング技術の進歩により、身体の変化が感情に影響を与えるメカニズムも明ら かにされて来ている。特に、脳内の島皮質と呼ばれる領域が「身体と感情」の統合に大きく関与していることが示されている。本研究では、脳イメージング技術を用いて運動経験が感情と関連する島皮質脳内ネットワークにどのような影響を与えるかを検討すること を 目的としている。 本研究では、島皮質関連領域のどこに運動経験の差異が見られるかを検討するために、遅延フィードバック課題における島皮質関 連領域の賦活の確認を行うことを目的とした。これまで行ってきた島皮質に関する研究より、自分が行ったパフォーマンスに対する「結果の知識」(フィードバック情報)を与えるような実験課題を設定したときに島皮質の活動が高まることが分かっている。最終年度に当たるH25年度では、島皮質の活動に焦点を充て、島皮質に対するORI(Region of interest)解析および、島皮質の活動と主観的な感情との相関分析、さらには運動経験との関係についても相関分析を行った。また、遅延フィードバック課題をもちいた脳波実験も行い、島皮質の活動をミリ秒単位で解析できるようDipole分析も行った。その結果、ROI解析によって、島皮質の賦活が確認されるとともに、島皮質が主観的な感情とも相関することが示された。また、一部の脳領域においては、運動経験との相関も観察されるに至った。Dipole解析では、島皮質のなかでも、右前部島皮質の活動が左半球の島皮質よりも早く賦活することが示され、このことから、身体活動によって脳の感情と関連する領域の活動が変化する可能性が示唆された。
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