2013 Fiscal Year Annual Research Report
旧東ドイツスポーツ関係者の言説-インタビュー調査を中心に
Project/Area Number |
23500727
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
寳學 淳郎 金沢大学, 保健管理センター, 准教授 (70313822)
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Keywords | 東ドイツスポーツ / インタビュー調査 / スポーツ史の再構成 |
Research Abstract |
本研究は、社会主義の模範と言われ、スポーツ分野でも世界の注目を集めた東ドイツのスポーツ史を再構成するための基礎的研究として、ドイツ再統一後20年を経た今、東ドイツスポーツ関係者にインタビュー調査を行い、彼らが東ドイツスポーツ及びその周辺について語るものを検討するものである。研究期間内では、可能な限り様々な分野の数多くの関係者に会い、インタビュー調査を行うことが望ましいが、先ずは自叙伝的著作を著したスポーツ関係者へのインタビュー調査の実施を考えた。既に彼らの自叙伝的著作の内容を分析してきたので、彼らの生い立ちや関心が大筋理解されているからである。これらの言説の分析によって、社会主義国家であった東ドイツの社会やスポーツを理解するための様々な手がかりを得ることが予想される。 今年度は女子アイススケート選手であったG.ゼイフェルトへのインタビュー調査が主な課題であった。東ドイツスポーツを擁護する立場の関係者や東ドイツのドーピングを糾弾する立場の関係者とは違う立場の関係者へのインタビュー調査が必要と考えたからであった。G.ゼイフェルトへのコンタクトを続けたが、諸事情でインタビュー調査は適わなかった。そこで、本研究の成果報告書を作成するためにも、既にインタビュー調査を行った関係者に対し、語られた内容の中で不明であった点などをメールで確認するとともに、ドイツ連邦公文書館において、その内容を史料的に確認する作業を行った。 メールのやり取りによって、多くの不明な点が理解できるようになった。また、東ドイツスポーツ関係者の言説からは、東ドイツが1956年頃からソビエトスポーツシステムからの転換を図っていたことが窺えたが、それを裏付ける史料「1956年から1960年までの東ドイツにおける身体文化・スポーツ促進に関する訓令」が存在することを発見した。東ドイツスポーツの独自性を示す重要な史料であった。
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Research Products
(3 results)