2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23500728
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
野村 照夫 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (60189438)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 水泳 / ストリームライン / 小型3Dスキャナ / 信頼性 |
Research Abstract |
国際競技力向上の重要な要因の1つである競泳のターンを体格と動作の立場から検討し,先進的なターン・スキルの提案を主目的とした. 水泳におけるストリーム・ラインは,けのび距離や牽引抵抗によってパフォーマンスとして評価されてきたが,これらに関与する姿勢の要素が十分に検討されたとは言えない.そこで,ストリーム・ライン姿勢を評価するための基礎的な研究として,資料収集し,さらに小型3Dスキャナによる計測の信頼性を検討した.資料収集の結果,3D人体形状計測装置は特定幾何学形状剛体モデル法や積層楕円板近似モデル法に比べ,身体形状をより忠実に再現したモデルの作成が可能であることが伺われた.しかし,姿勢を評価する精度の高い3Dスキャナは大型で指導現場に持ち込むのに適さない問題点があった. そこで小型3DスキャナArtec MHT(データ・デザイン社)にてボールおよびマネキンをスキャンし,マルチン棹状計による実測値と比較した.その結果,ボールの直径について,実測値22.8cmの直径に対し3Dポリゴン上の3点の計測値は22.1±0.3cmであった.実測値から計算される断面積408.3cm^2に対し,3Dポリゴン上での断面積は392.8cm^2であった.マネキンの上半身の実測値17点(幅7箇所,厚さ5箇所,長さ5箇所)と3Dポリゴン上の計測値の相関は0.999で回帰式はy=0.994x‐0.40cmであった.これらの結果より,小型3Dスキャナによる計測の信頼性が確認された.ただし,精度を高めるために参照点貼付が必要であった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
小型3D スキャナを回転および上下させながらストリーム・ライン姿勢をスキャンすることにより姿勢をポリゴン化し,このときの姿勢条件により,3D 座標から求められる身体各部の長さ,断面積,アラインメントと受動抵抗の関係を明らかにする予定であったが,小型3D スキャナの信頼性が証明されていなかったので,生体を対象にした実験に先立ち,信頼性を検討するための基礎的な研究が必要となった.
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Strategy for Future Research Activity |
生体を対象にした体格や姿勢を評価し,受動抵抗との関係を明らかにする予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の研究計画である体格や姿勢と受動抵抗の関係を明らかにする研究を進める上で,計測装置である小型3D スキャナの信頼性を検討するための基礎的な研究が必要となった.次年度の研究計画遂行のため,当初から使用予定の研究費(物品費,旅費,人件費・謝金)50万円に加え,今年度の研究のための計測の結果得られた今年度の研究成果発表(8月22‐24日に神奈川県で,10月21‐22日に福岡県で)のための旅費10万円並びに実験の実施・分析に関わる人件費・謝金168,945円を合わせた268,945円を次年度使用する予定である.
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