2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23500728
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
野村 照夫 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (60189438)
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Keywords | 競泳 / フリップターン / 楕円モデル |
Research Abstract |
競泳におけるフリップターンの回転軌跡に楕円モデルを適用し、ターン技能を検討することを目的とした。 地域強化指定レベルの水泳選手15名を対象とし、15m地点よりスタートし、フリップターン後15m地点まで泳がせた。水中1台・陸上2台のビデオ撮影を泳者の側方より行った。自作の動作分析ソフトnotePlayerを用い、2次元DLT法により身体各部の座標を求め、速度算出後、ローパスフィルターでノイズをカットした。また、水飛沫や水泡によって測定点が特定できない場合の欠損値はラグランジュの方法によりデータ補完を行った。実座標を再構築し、元のデータとの整合性を検討した後、頭部回転軌跡に楕円モデルを適用した。楕円の傾き、回転前半の楕円の長半径・短半径、回転後半の楕円の長半径・短半径を求めた。また、ターン技能は、フリップ水平速度(1.5m-0.0m)、離壁水平速度(1.5m-3m)、離壁後15m到達時間等を計測した。 楕円の傾き(65.9±7.0deg)が水平に近いと回転前半の楕円の長半径(0.26±0.04m)が長く(r=-0.567、p<0.05)、離壁後15m到達時間(7.72±0.36sec)が短い(r=0.795, p<0.01)傾向が見られた。また、回転後半の楕円の短半径(0.22±0.18m)が小さいとフリップ水平速度(1.5m-0.0m区間)(1.17±0.08m/s)が大きい(r=-0.561, p<0.05)傾向が見られた。 従って、フリップターンは横長の弧を描き回転を始め、後半に弧を小さくすることで、ターン技能を向上させる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
クイックなターンを示すフリップターンの動作の分析を行った。飛沫や水泡による計測点の判別が困難な場合が見られたため、2次元評価法を選択した。着壁時の姿勢、離壁時の身体の傾きなどの姿勢要因に加え、運動の記述として、最も視認しやすい頭部を取り上げ、楕円モデルに近似した。これまでにない有効な評価法を提案することができ、先進的なターンスキルを提案するための方向性を決定することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
タッチターンの動作を検討するための評価法を評価法を開発し、クイック・ターンと同様にアプローチ,回転,着壁,グライド,ストロークの準備について動作分析を行う.手部の着壁位置のちがいによる各局面の所要時間の相違を検討し,適切な手部の着壁位置を提案する. さらに,3 年間の結果を総括し,先進的なターン・スキルとしての姿勢作りや各種動作を提案する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
タッチターンを分析するための機材を整え、水中および陸上から撮影する実験を実施する。 得られた画像から動作を検討する方法を考案するためのソフトウェアを整える。 研究の成果を国際学会(オーストラリア)や国内学会で発表する準備を進める。 本年度の残額は、予定外の画像処理ソフトのバージョンアップ等により、謝金の発生を控えたことでわずかに残額が発生した。これらを次年度の実験機材の充実に充てる予定である。
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