2013 Fiscal Year Annual Research Report
テニスにおけるトップスピン技術が手関節に及ぼす影響
Project/Area Number |
23500739
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
前田 寛 大分大学, 工学部, 教授 (60181591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡内 優明 大分大学, 工学部, 准教授 (20194334)
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Keywords | テニスラケット / トップスピン / ウエスタングリップ / イースタングリップ / 手関節 / オイラー角 |
Research Abstract |
本研究では,テニスラケットでトップスピンのボールを打とうとしたときの手関節にかかる影響を明らかにし,特にウエスタングリップとイースタングリップに焦点を絞り,手首に障害を起こさないようなラケットのスイング方法を探ろうとした.これまで,ラケットをスイングする際の手背部と前腕部に3軸のジャイロセンサーを装着し,グリップ角度の違いによる手関節3軸周りの回転の違いを明らかにしてきた. 平成25年度は,さらに,その手関節3軸周りのトルクを算出し,ウエスタングリップとイースタングリップでの手関節にかかる負担の違いを明らかにしようとした. そこで,手背部と前腕伸展部に装着した二つの9軸慣性センサを用い,ラケットスイング時の前腕部から見た手部のオイラー角,すなわち手関節の3軸周りのオイラー角を算出した.同時にラケットスロート部に接着した2軸の動歪みゲージから,ラケットスイングの撓みを,ポータブルのマルチデータ入力装置を用いて導出し,手関節にかかるトルクを算出した. また,本研究では手関節3軸まわり,すなわち掌屈・背屈,尺屈・撓屈,回内・回外の屈曲・伸展運動における最大トルクを測定している.ラケットと同じ慣性モーメントの物体を回転させ,その時の回転軸に接着したトルクゲージからトルクを導出し,その最大値を,3軸周りの最大トルクと考え,実際にボールを打ったときのトルクと比較した. その結果,ウエスタン,イースタンの両グリップとも手関節にかかるトルクはどちらもほぼ等しく,最大トルクと同じ負荷となる.しかし,手関節周りのオイラー角の変化を見ると,イースタングリップでは角度の変化が小さく,手部と前腕部が同時に回転している.それに対してウエスタングリップでは,手関節のロール角とヨー角の変化が大きく,回内運動が主に使われており,回内運動はパワー特性にすぐれているため,手関節に負担が小さいと考えられた.
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Research Products
(1 results)