2014 Fiscal Year Annual Research Report
新オリンピック文化創出の可能性:ユースオリンピックと本大会の連接性に関する研究
Project/Area Number |
23500745
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
舛本 直文 首都大学東京, その他の研究科, 教授 (70145663)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | ユースオリンピック大会 / オリンピック大会 / 2012ロンドン大会 / 2014ソチ冬季大会 / 2014南京YOG大会 / 2016リレハンメルYOG大会 / オリンピック教育 / オリンピック平和運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ユースオリンピック大会(YOG)が掲げているスポーツ競技と文化・教育の融合およびオリンピックの価値や異文化理解の促進という目的とオリンピック競技大会(OG)の本大会が掲げているスポーツを通した心身の調和のとれた全人教育と平和な世界の構築への寄与という目的の連接性について、実際のYOG大会とOG大会を調査研究し、新しいオリンピック文化創造の可能性について検証することである。なかでも、YOGとOGの競技プログラムの相互作用効果、教育・文化プログラム(CEP)と平和運動に焦点を当て、その連接性を明らかにすることを主目的とする。 平成26年度は特に南京YOGの現地調査を行い,CEPと平和運動の情報収集と分析解釈を行った.以下が大まかな研究概要である.(1)2014年ソチ冬季大会における新種目導入の原理と方向性の分析,(2)2014年南京YOGにおけるCEPと平和運動の現地情報収集,(3)2016年リレハンメル冬季YOGの新種目導入の原理と方向性の確認,(4)IOCのOlympic Agenda2020の改革案に見る方向性の確認,(5)2012年ロンドン大会における変化の確認.以上の研究・分析・解釈から,YOGが志向する若者の関心喚起の方向性,ジェンダー・ミックスおよび団体種目のOGへの導入,コーチの宣誓のOGへの導入など,YOGにおける試行による効果確認の後,OGへと取り入れられていく方向性が確認された.一方,平和運動においてはYOGにおけるメッセージ性の希薄化傾向が確認され,IOCの今後の課題となることが明確となった.YOGのCEPについては,アウトリーチ・プログラム不足が顕著であり,OGへと反映される方向性は確認できなかった.CEPはLearn & Shareと名前を変えたように,自国での普及・伝達が課題となっている.
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