2011 Fiscal Year Research-status Report
動作特異的な多関節運動における力-速度-パワー関係の解析と基準値の推定
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23500748
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Research Institution | Sapporo International University |
Principal Investigator |
小林 秀紹 札幌国際大学, スポーツ人間学部, 教授 (40280383)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | レジスタンストレーニング / 等張性筋活動 / 筋パワー |
Research Abstract |
本研究の目的は多関節運動における力-速度波-パワー関係を明らかにし.動作特異的な筋パワーの向上を目指すトレーニングへと展開する研究基盤を確立することである.今年度は1. 各種レジスタンストレーニングにおける筋パワーの測定条件の検討,2. 各種レジスタンストレーニングにおける最大パワーの信頼性,の課題を設定しした.前者の課題においては測定機器の調整があり,継続して実施しているところである.後者の課題は,次のような知見を得た.測定はダイナモメータを内蔵したサーボ系ケーブル駆動型等速性筋力計を利用した.多関節運動を実現するためにケーブル牽引式のアタッチメントを使用した.筋力発揮様式はバックスクワットであった.膝を伸展した位置からパラレルスクワットにおける膝屈曲位置までを規定した上で,測定を行った.運動の設定速度はダイナモヘッド軸の回転速度を30,60,90,120,180°/secの5種類の角速度を選択した.各速度において5試行実施した.2要因分散分析の結果いずれの速度においても収縮要因に有意差が認められた.また,伸張性において角速度180deg/secは30,60,90deg/secよりも有意に高い値が認められた.短縮性では速度間で筋力に差は認められなかった.信頼性係数は,短縮性において0.75から0.93の値が得られた.一方,伸張性では30,60deg/secにおいては0.8以上の信頼性係数が得られたが,90°/sec以上の速い速度における信頼性係数は0.4未満であった.遅い速度では高い信頼性が確認できるが,速度が速くなるほど信頼性が低くなった.多関節運動における等速性筋力発揮値の信頼性は速度によってばらつきがあり,36cm/secよりも速い速度での信頼性係数は0.8に満たなかった.また,短縮性と伸張性の収縮様式の違いにおいても信頼性が異なった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の計画は詳細に設定しており,内容そのものに変更はない.しかし,今年度は測定機器の不調があり,計画は予定よりも遅延した.本年度に行う課題は2つあり,一つは前述のように予定通り進行している.もう一つの課題は「各種レジスタンストレーニングにおける筋パワーの測定条件の検討」であり,2種類のパワー測定器を利用し,レジスタントトレーニングにおける1RMおよび1RM下での動作速度を測定するものである.これは機器の比較そのものを目的としているため,測定機器の不調が研究の遅延に直結した.現在,機器は修理中であるものの,代替え品のレンタルによって研究を進めており,この遅延はほどなく解消されるものであり,全体的な計画としてはほぼ順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
実験はルーティンで行える状況にある.今後の研究は,測定方法および機器の信頼性の検討が主要な課題になるため,被験者確保のためのスケジュール,条件設定等,調整的な取り組みが中心となる.これまでどおり計画的な準備を行うものである.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究課題を引き続き実施し,主に実験に伴うランニングコストとして研究費を使用する.また,研究成果を発表するべく学会出張費や論文投稿費等が主な使途である.
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