2013 Fiscal Year Annual Research Report
後天的身体障害者のスポーツへの社会化に寄与する他者に関する社会学的研究
Project/Area Number |
23500750
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
吉田 毅 常葉大学, 健康プロデュース部, 教授 (70210698)
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Keywords | アダプテッドスポーツ / 車椅子バスケットボール / 車椅子マラソン / スポーツへの社会化 / 他者 / 種目特性差 / キャリア形成 |
Research Abstract |
本年度は個人種目の車椅子マラソン(以下「マラソン」)に取り組む男子選手7名(交付申請書の記載より1名多い)を対象に調査を行い、23年度の対象であった団体種目の車椅子バスケットボール(以下「バスケ」)男子選手の知見との比較を通じて種目特性差が認められるか否かについてと、3年度に亘る知見を基に後天的身体障害者のスポーツへの社会化プロセスにおける他者の意味について検討した。 まず、上記7名のうち初めから当該種目に取り組んだのは3名であり、他4名は別の種目から当該種目に転向した。つまり、ほとんどが初めから当該種目に取り組んだバスケ選手とはキャリアの点で差異が認められた。スポーツへの社会化に寄与した他者については、準備局面(スポーツに参加できる状態になるまで)で寄与したのは家族、友人、看護師等の情緒的支援者ともいうべき他者であった。こうした他者はバスケ選手の知見と同様に気を許せる他者、あるいは親身な他者と呼び得る。この局面で貴重な存在となる他者に種目特性差はないのであろう。一方、主要局面(スポーツに継続的に参加するに至るまで)では差異が認められた。バスケ選手のほとんどは他者から誘われてバスケに参加したのに対し、マラソン選手においてそうした選手は上記3名のうち1名に過ぎず、他2名はたまたまメディアや直接にマラソンを見たことで関心を持ち自発的にマラソンに参加した。別の種目から転向した4名のうち2名も同様であった。比較的種目普及度の高いバスケでは、いわば勧誘ネットワークが機能しているのではないかと思われる。その後にマラソンへの社会化を遂げるのに寄与したのは、バスケ選手と同様に仲間(先輩を含む)や役割モデルのごとき他者であった。他者の意味は上記の点を含む3年度に亘る知見から導出されるが、紙幅の都合により成果報告書に示す。なお現在、本研究の成果の一部をまとめた論文を学会誌に投稿中である。
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Research Products
(1 results)