2012 Fiscal Year Research-status Report
両側性および一側性トレーニングの効果における特異性を生み出す生理学的機構
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23500751
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Research Institution | International Budo University |
Principal Investigator |
谷口 有子 国際武道大学, 体育学部, 教授 (80217140)
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Keywords | 脳波 / 筋電図 / トレーニング / 反応時間 / 特異性 |
Research Abstract |
一昨年度までの予備実験において、筋電図の記録を、脳波計を介して記録する方法を用いていたが、ノイズが入りやすく、実験に時間を要してしまう場合が多かった。 このため、新たな筋電図記録システムを導入し、筋電図のS/N比は格段に向上した。しかし、刺激信号のアーティファクトが混入することがあるため、その原因を調査中である。 現在は、このシステムを用いて、本実験に向けて、さらに被験者数を増やして実験システムの検証を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
一昨年度までの予備実験において、筋電図の記録を、脳波計を介して記録する方法を用いていたが、ノイズが入りやすく、実験に時間を要してしまう場合が多かった。 このため、新たな筋電図記録システムを導入し、筋電図のS/N比は格段に向上した。しかし、刺激信号のアーティファクトが混入することがあるため、その原因を調査中である。 現在は、このシステムを用いて、本実験に向けて、さらに被験者数を増やして実験システムの検証を行っているところである。 これらの作業に時間を要したため、研究の進行状況は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の実験システムの検証が終了次第、これまでの研究で用いてきたトレーニング条件下で脳波を記録し、反応時間に見られる両側性機能低下のトレーニングによる変化のメカニズムを検討する。両側トレーニング群、一側トレーニング群、対照群、各6名に、視覚刺激に対して、できるだけすばやく示指外転の等尺性筋力を発揮する単純反応時間課題を、5回×3セット、週3日、6週間、両側トレーニング群は両手同時に、一側トレーニング群は片手ずつトレーニングする。対照群はトレーニングを行わない。トレーニング開始前、3週後、6週後に脳波、筋電図反応時間の測定を行う。両側同時、一側左、一側右の条件別に、トレーニングによる反応時間の変化および両側性指数(BI)の増減とトレーニングの種類との関係を検討する。脳波を、各電極別、各条件別に加算平均し、振幅を計測する。トレーニングによる振幅の増減とトレーニングの種類との関係を検討する。反応刺激から筋放電開始までの潜時(premotor time)および筋放電量を計測する。等尺性筋力の立ち上がり潜時と筋放電の潜時との差からmotor timeを求める。これらの測定値の増減とトレーニングの種類との関係を検討する。BIの変化と、脳波の振幅、および筋放電量の変化との関係を解析する。さらに、上記の反応時間課題と同様の研究デザインを用いて、筋力発揮時に見られる両側性機能低下のトレーニングによる変化のメカニズムも検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
トレーニングによる反応時間・筋力の変化およびBIの増減とトレーニングの種類との関係を検討する。記録した脳波を、各電極別、各条件別に加算平均し、その振幅を計測する。トレーニングによる振幅の増減とトレーニングの種類との関係を検討する。筋電図を各条件別に整流して積分し、筋放電量を計測する。トレーニングによる筋放電量の増減とトレーニングの種類との関係を検討する。BIの変化と、脳波の振幅および筋放電量の変化との関係を解析する(物品費:実験遂行に必要な消耗品およびデータ解析に必要なソフトのバージョンアップまたは購入費)。 これらの結果と先行研究論文の知見を総合し、「トレーニングによるbilateral deficitの特異的修飾」に大脳皮質レベルのメカニズムである「注意の分散」や「大脳半球間抑制」がどのように関与しているかを総合的に考察し、国内外の学会において研究成果の発表を行う(旅費)。また、学術論文として投稿する(外国語論文の校閲費)。
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