2011 Fiscal Year Research-status Report
ハンドボール競技における戦術的能力の規定因子に関する検討
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23500754
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
栗山 雅倫 東海大学, 体育学部, 講師 (80408004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 修治 東海大学, 体育学部, 准教授 (30266449)
藤井 壮浩 東海大学, 体育学部, 講師 (20514920)
陸川 章 東海大学, 体育学部, 准教授 (70338739)
藤本 元 環太平洋大学, 体育学部, 講師 (30454862)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ハンドボール / 戦術的能力 / 状況解決能力 / 指導者 / 戦術学習 |
Research Abstract |
1.研究の動機・目的と研究実施内容本研究は、ハンドボール競技を題材として、戦術的能力の規定因子を状況解決能力に着目して検討し、戦術的能力の評価を実施することで、その妥当性を検討した上で、効果的な戦術学習に寄与することを目的として開始した。平成23年度に特化した目的は、戦術的能力の規定因子の検討を十分に行うこととした。研究の手段として、インタビュー調査を実施した。「ハンドボール競技国内トップリーグのインタビュー調査」として、日本リーグ 男子8 チームの指導者/女子6 チームの指導者を対象とし、主に、状況解決能力に関することとして、状況解決能力の1)重要性、2)評価できる具体的状況、3)トレーニング手段、についてインタビュー調査を実施した。また、「ハンドボール以外の球技種目の状況判断能力に関する調査」として、バレーボール、 バスケットボールのトップ指導者を対象に、ハンドボール指導者と同様の内容にてインタビュー調査を実施した。3.主な結果と研究の意義・重要性いずれの指導者においても、戦術的能力の重要性を認めており、それぞれの観点を擁し、選手あるいはチームの戦術的能力について評価を実施している。また、特にハンドボールのトップ指導者の傾向として、戦術的能力の規定因子について、2人以上のグループによる連動性が、特に重視されていることが明らかとなった。一方で同じ球技種目であっても、競技によって戦術的能力に関する認識が異なることが認められた。一般的に重要な位置づけとして認知されていた「戦術的能力」に対する、トップ指導者による事実的な位置づけや認識が明らかになったことは極めて意義が高いことと捉えられる。また、戦術的能力の規定因子について、指導者間に類似点が見いだせたことは、今後の戦術的能力開発に向けた指導において意義深く、研究の重要性が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は3ヵ年による完結を計画しており、研究初年度の平成23年度は、「戦術的能力の規定因子に関する検討」について行った。具体的には、ハンドボール競技のトップ指導者14名と、他競技のトップ指導者として、バスケットボール競技のトップ指導者5名と、バレーボール競技のトップ指導者5名へのインタビュー調査を予定通り完了している。インタビュー調査はあらかじめ用意した質問項目に基づいて、いずれの調査対象者に向けても同様の質問内容を用いて実施し、各調査対象者からの類似点、あるいは相違点を明確にすることができた。このことは、3カ年計画である本研究の基盤となるステップを確実にクリアできたことになり、研究全体を計画的に遂行していくために、極めて重要な機能を果たしたと捉えている。
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Strategy for Future Research Activity |
3ヵ年の研究計画であり、三段階に分けて研究の遂行を計画している。特に状況解決能力に着目し、第一段階として「戦術的能力の規定因子」を導き出し、第二段階において「パフォーマンスと導き出した規定因子との関係性」を明らかにし、研究の最終段階で、「規定因子の妥当性とトレーニング手段の検討」を行う計画である。平成23年度は第一段階を予定通り完了しており、研究計画2年目であり、第二段階の遂行を計画している平成24年度は、「状況解決能力の実験的調査」を行うために、映像の視聴による戦術的立案能力の調査と、同じく映像の視聴による状況認知および判断能力の調査を実施する予定である。また、研究計画最終年度にあたる平成25年度においては、研究最終段階として、「規定因子とトレーニング手段の検討」を行う計画である。本年度の具体的な推進計画としては、「映像提示による戦術的立案能力とパフォーマンスの関係に関する実験調査」を行い、インタビュー調査で得た、状況解決能力を評価できる状況より、複数の状況を実験的に作り出し、撮影の上、被験者に提供する。被験者は、考えられる状況解決手段を記述する。記述用紙は、図式化による記述と、補足的に言語による記述をする。また、ハンドボールの攻撃における戦術的なミニマムエッセンスを含むと思われる2:2 状況を実験的に作り出し、記述実験と同様の被験者が攻撃する。これを撮影したものを、動作解析法によるアプローチと、二次元DLT 法を用いて座標化し、DKH 社製ハンドボール分析プログラムを用いたものによる、パフォーマンス能力の評価を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費の使用計画は、おおむね研究計画初期の計画通り遂行する予定である。物品費としては35万円計上している。その内訳は、二次元DLT 法を用いて対人関係を算出するDKH 社製ハンドボール分析プログラムのアップデート費用として30万円、データの収集および整理を行うメディアの費用として5万円を計上した。旅費として20万円計上したが、研究分担者との打ち合わせにかかる費用と、研究に関わる調査旅費として使用する予定である。人件費は、15万円と23年度からの繰越しである16,796円を足した、166,796円を計上している。対象はデータ整理補助のアルバイト人員への費用としている。
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Research Products
(1 results)