2012 Fiscal Year Research-status Report
ハンドボール競技における戦術的能力の規定因子に関する検討
Project/Area Number |
23500754
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
栗山 雅倫 東海大学, 体育学部, 講師 (80408004)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 修治 東海大学, 体育学部, 准教授 (30266449)
藤井 壮浩 東海大学, 体育学部, 講師 (20514920)
陸川 章 東海大学, 体育学部, 教授 (70338739)
藤本 元 筑波大学, 体育系, 助教 (30454862)
|
Keywords | ハンドボール / 戦術的能力 / 状況解決能力 / 戦術学習 / トレーニング手段 |
Research Abstract |
1. 研究の動機・目的と研究実施内容 本研究は、ハンドボール競技を主な題材として、戦術的能力の規定因子を特に状況解決能力に着目して検討し、それらの各因子の評価を実施することで、その妥当性を検討した上で、効果的な戦術学習に寄与することを目的として開始した。平成23年度に特化した目的は、戦術的能力の規定因子の検討であったが、平成24年度は、導き出された戦術的能力として妥当性の高い因子を抽出し、パフォーマンスとの関係を明らかにすることを目的とした。 研究の手段として、前年度の結果から導き出された、戦術的能力の評価として妥当性の高い因子とされた、“ポストプレーヤーが介在する攻撃”を評価できる状況を実験的に作り出し、その状況下におけるパフォーマンスを占有エリア解決法において評価し、並行して被験者の内省報告により、パフォーマンス時の戦術的行動の意図について調査し、検討した。また、現在、パフォーマンスのイメージと実際のパフォーマンスとの関連を調査中である。 2. 主な結果と研究の意義・重要性 平成24年度の研究の結果より、戦術的能力の評価として、“ポストプレーヤーが介在する攻撃”の状況におけるパフォーマンスを評価することの妥当性が明らかとなった。このことより、戦術的能力は、単に1対1のマンツーマンの状況の解決能力だけに依存するのではなく、味方との連携における行動に関連する能力が重要であることが示唆された。 これらの結果は、トップ指導者が重要と捉えていた、戦術的能力の因子と思われる見解についての妥当性を見出した点について高い意義があると捉えられる。すなわち戦術的能力の優劣を評価できる状況の具体的な設定が、有効な戦術学習のトレーニング手段の創出につながり、戦術的能力の向上によるパフォーマンスの向上に具体的につながる可能性が見いだせた点において、重要な示唆を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は3ヶ年計画による完結を計画しており、平成24年度は、平成23年度の“戦術的能力の規定因子に関する検討”より得られた結果をもとに、“トップ指導者の捉える戦術的能力の規定因子と実際のパフォーマンスの関係”について主に検討した。 その結果、トップ指導者の捉える戦術的能力の規定因子とパフォーマンスの関連が導きだされた。このことは、3ヶ年の研究計画におけるきわめて重要なステップを確実にクリア出来ており、今後の計画遂行に大きな役割を果たすことが出来たと捉えている。 また現在、実際のパフォーマンスとパフォーマンスのイメージの関係について調査中であり、総括的に交付申請時の計画にそった段階をおおむね順調に経過していると捉えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
3ヵ年の研究計画であり、三段階に分けて研究の遂行を計画している。 特に状況解決能力に着目し、第一段階として「戦術的能力の規定因子」を導き出し、第二段階において「パフォーマンスと導き出した規定因子との関係性」を明らかにし、研究の最終段階で、「規定因子の妥当性とトレーニング手段の検討」を行う計画である。 平成24年度は第二段階を予定通り経過しており、研究計画最終年度である、第三段階の遂行を計画している平成25年度は、「戦術的能力の規定因子の妥当性とトレーニング手段の検討」を行うために、戦術的能力の向上に向けたトレーニング手段を立案し、パフォーマンスのプレデータとポストデータの比較検討を実施する予定である。 本年度の具体的な推進計画としては、平成24年度の研究結果により導き出された、“ポストプレーヤーの介在する攻撃状況”のトレーニング手段を創出し、継続的なトレーニングの実施による戦術的能力の変化を、プレデータとポストデータの比較により検討する。被験者は、ハンドボールを専門とする競技者とする。また、3ヶ年の研究の総括を実施する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費の使用計画は、おおむね研究計画初期の計画通り遂行する予定である。 物品費としては5万円計上している。その内訳は、データの収集および整理を行うメディアの費用として5万円を計上した。 旅費として20万円計上したが、研究分担者との打ち合わせにかかる費用と、研究に関わる調査旅費として使用する予定である。 人件費は、15万円と24年度からの繰越しである161,866円を足した、311,866円を計上している。対象はデータ整理補助のアルバイト人員への費用としている。 平成24年度から平成25年度へ助成金の繰り越した理由は、2月および3月の人件費の精算が、平成25年度に持ち越しての事務処理となったためのものである。
|
Research Products
(4 results)