2014 Fiscal Year Annual Research Report
特殊環境下における運動単位発射様式の解明-局所的血流制限下について-
Project/Area Number |
23500757
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
水村 信二 明治大学, 文学部, 教授 (50267358)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 特殊環境下 / 運動単位発射様式 / 筋電気信号 / 表面電極 / 加圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、特殊環境下における筋線維動員パターンの一端を解明することを目的として、局所的血流制限(以下、加圧)下における筋力発揮時の運動単位発射様式を明らかにしようとするものである。したがって、加圧条件下における筋力発揮時の筋電気活動動態を、運動単位レベルで明らかにすることは、加圧中の筋力発揮時における神経制御様式を脊髄レベルで明らかにすることとなる。これによって、局所的血流制限下における力発揮の神経制御メカニズムの一端が明らかになり、更には、その他の特殊環境下における力発揮の神経制御メカニズムを解明することにつながる。 本研究では研究計画当初、「非侵襲的」に運動単位活動電位を記録し、運動単位発射動態を解析できるシステムがすぐに完成見込みであったと知らされていたにも関わらず、この記録解析システムの開発が数年間に渡り遅延した。そこで、最終年度となる平成26年度においては、大腿近位部を加圧した条件及び非加圧条件において、膝伸展力発揮時における主動筋「表面筋電気信号」を記録・解析することとした。 被験者にポータブル加圧トレーニング機を用いて、両大腿起始部を3分間の加圧と1分間の除圧を加圧値170mmHgから240mmHgまで10mmHg ずつ上昇させながら8セットの加圧を施した。加圧している間、30%MVCでの膝伸展等尺性力発揮を行わせ、MVC加圧時と除圧時における表面筋電気信号をワイヤレス乾式筋電3軸加速度センサを用いて記録した。また、加圧に先立ち、非加圧状態における30%MVCでの等尺性力発揮をした際の筋電気信号も記録した。 その結果、加圧時においては、非加圧時よりも筋電気信号の振幅が有意に高くなることが示された。このことより、加圧時の運動単位動員閾値は非加圧時よりも低くなることが示唆された。今後は、運動単位発射動態をより直接的に記録・解析できるシステムによる検証が期待される。
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