2011 Fiscal Year Research-status Report
肩関節構成要素の動態からみた回旋腱板筋のトレーニング効果
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23500767
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Research Institution | Kyushu Kyoritsu University |
Principal Investigator |
長谷川 伸 九州共立大学, スポーツ科学部, 准教授 (70350444)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 回旋腱板 / トレーニング / 肩関節 |
Research Abstract |
本研究の目的は肩関節回旋腱板筋のトレーニングにおいて重視される上腕骨頭を関節眼窩に固定する安定性のメカニズムを明らかにすることである。研究期間を通して負荷強度、負荷様式の異なるトレーニングを行った際に見られる上腕骨頭の動きや回旋腱板筋の筋束、筋内腱、腱板動態を評価し、上腕骨頭の側方偏移を起こさずにトレーニングできる負荷強度、負荷様式の提案を行うともに、トレーニングの進行段階における安定性の改善効果について明らかにすることを目指すものである。平成23年度の研究計画は、「肩外旋運動における負荷強度が棘下筋の動態に及ぼす影響」について等速性筋力測定装置を用いて肩関節の外旋運動を実施した際に見られる、関節構成要素の動きを定量化し、負荷強度が大きくなるにしたがい大きくなると考えられている上腕骨頭の側方偏移を定量化することにある。本研究は現有の研究機器だけでは実施することができないものであったため、超音波診断装置の購入が研究スタートの前提にあった。しかし、東日本大震災の影響による予算執行の遅れにより、機器の納入が12月にずれこんだことにより、大幅なスケジュール変更を余儀なくされた。平成23年度は研究計画書に示した実験システムの構築が中心となり、超音波診断装置のプローブを被験者の肩部に固定し、運動中に安定して映像を撮り続けるためのコルセットの試作、超音波映像と発揮筋力の同期システム構築を行い、今後のデータ収集が可能な段階に至っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究費採択を受け、5月頃より超音波診断装置購入の手続きを開始したが、予算執行の遅れ、業者側の諸問題があり、実際の機器納入が12月中旬にずれこんだ。このため、当初は夏季休業中に計画していた実験システムの構築が進まなかったことによるものである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、本来前年度の課題となっていた「肩外旋運動における負荷強度が棘下筋の動態に及ぼす影響」について2台の超音波診断装置を用いて被験者の棘下筋の筋腹、停止部に超音波診断装置の探触子を肩関節サポーター型の専用固定具により固定し、運動中の動態を観察することにより、運動負荷の大きさの違いによる肩関節安定化機構の動態について定量的な評価を行うものとする。超音波診断装置2台から得られた映像にはビデオタイマーを表示し、映像間の同期を取り、筋電図信号、筋力、関節角度の信号は専用ソフトを用いることにより超音波画像と同期をとる。取得した映像は画像解析ソフトを用いて、棘下筋の筋束と筋内腱との付着部(P1)、筋束と深部筋膜の付着部(P2)、腱板と上腕骨大結節の付着部(P3)を座標化し、筋束長(P1-P2)の変化、筋内腱の移動量、上腕骨頭の移動量、移動軌跡を算出し比較することを計画している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究では上腕骨頭のわずかな動きのちがいを評価しようとするものであるため、取得される画像をいかに鮮明に撮るかという点は重要なポイントである。本年度予算は、昨年試作した肩関節用コルセットを専門業者に依頼し、より安定性の高いものにしたうえでデータの取得を行うための費用、ならびに映像解析用ソフトウエア購入のための費用である。
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