2012 Fiscal Year Research-status Report
肩関節構成要素の動態からみた回旋腱板筋のトレーニング効果
Project/Area Number |
23500767
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Research Institution | Kyushu Kyoritsu University |
Principal Investigator |
長谷川 伸 九州共立大学, スポーツ科学部, 准教授 (70350444)
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Keywords | 超音波 / 棘下筋 / 三角筋 / 筋電図 |
Research Abstract |
本研究では、3年間の研究期間を通じて、肩関節の外旋運動を実施する際の棘下筋の腱板部(筋外腱)と筋腹部(筋内腱)の動き、ならびに上腕骨頭の動きを、超音波法を用いて定量的に評価することを目指している。3年間で3つの研究課題を設定しており、全てに共通するのは、外旋動作時に上腕骨頭が肩甲骨の関節窩に引き寄せられる「動き」を評価するという点である。筋内腱や筋外腱、上腕骨頭の「動き」の測定方法について、1年目には測定方法の確立、2年目にトレーニングによる効果の評価、3年目に負荷様式のちがいによる動きの評価を計画している。 平成24年度の当初計画は、「短期的なトレーニングが棘下筋の動態に及ぼす影響」について検討することであった。15名の被験者を対象に、1か月に渡る肩関節外旋トレーニングを実施し、トレーニング前、トレーニング開始後2週間、4週間の時点におけるトレーニング効果の測定を行うことを計画した。回旋腱板筋のトレーニングは、筋力を高めることよりも、運動様式を学習するという、使い方の側面が強調されている。このため、比較的早期にトレーニング効果が示されるという仮説のもと、検証を行うこととした。トレーニングには過去の科研費研究課題で作成した専用のトレーニングマシンを使用することを計画していたが、同トレーニングマシンの譲渡についての話し合いが進まず、当初計画が実行できない状態となった。このため、本テーマについては十分な検討ができなかったことから、一部修正し、平成25年度の「運動負荷様式」の研究に組み込むことを予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度における実験システム構築に関わる機材調達の遅れにより、全体の計画が後ろ倒しになったことが、測定法の確立、トレーニング実験の実施を遅らせることにつながった。2年目に実施を予定していたトレーニング実験は、被験者のトレーニング管理等を考慮すると、長期休業中に実施することが望ましく、この次期を逃したことにより、実施するうことが難しくなった。このため、当初計画に比べて、全体の内容を縮小した形で、最終年度のとりまとめを行うこととしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、負荷様式の異なる3つのトレーニング方法(重力抵抗、弾性抵抗、空気抵抗)を用いて肩関節の外旋運動を実施した際の、棘下筋、三角筋からの筋電図記録、超音波画像の取得から、負荷様式の違いによる棘下筋の動態の変化について検討するものとする。 測定内容は、負荷様式別に多段階の負荷強度における外旋運動を行わせ、棘下筋、三角筋より筋電図を記録する。その後、筋電図の積分値を基準として棘下筋における筋活動水準が同等の負荷を同一負荷とし、実験で使用する負荷強度を設定する。実験では筋電図の記録、超音波画像の撮影を同時に行い、前述の方法を用いて分析を行い、負荷様式のちがいによる上腕骨頭の側方偏移量を比較し、棘下筋のトレーニングとして推奨される方法について検討するものとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究計画の1年目に実施した、実験システムの構築により、超音波診断装置-ビデオタイマー-筋電図の動機システムは既に完成している。現在の課題は、2台の超音波画像を同時に記録するためのプローブを固定するためのアタッチメントの開発にある。これまでも、独自にアタッチメントの試作を繰り返してきたが、精度の高い画像を得るためには、身体とプローブのしっかりとした固定が必要なことから、形成・加工を専門とした業者によるアタッチメント作成に使用することを計画している。
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