2011 Fiscal Year Research-status Report
走能力を向上させるための大腰筋収縮様式の検証と走トレーニングプログラムの開発
Project/Area Number |
23500768
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
山崎 一彦 福岡大学, スポーツ科学部, 准教授 (30369029)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 大腰筋 / 疾走速度 / 大腰筋の働き / 脊柱起立筋 |
Research Abstract |
陸上競技短距離走の記録が良いものほど、大腰筋横断面積が大きいことが明らかになってきた。これらを受けて、多くの大腰筋強化の重要性は叫ばれているが、最終的に走能力を向上させるトレーニング方法についての科学的根拠はない。そこで、最大疾走能力の要因である大腰筋活動様式を明確にし、トレーニング方法を確立させることが目的である。当該年度は大学男女陸上競技者の大腰筋、脊柱起立筋および大腿部周囲筋の横断面積を測定するため、磁気共鳴映像装置(MRI)を用い、延べ54名の撮影した。また、男子陸上競技短距離競技者22名における疾走速度、走の動作分析を行った。更には同被験者に股関節屈曲筋力測定を行った。現段階の結果は以下の通りであった。(1)男子陸上競技者において筋横断面積、除脂肪体重、ストライドおよび身長との間に相関関係が認められたが、これまでの著名な先行研究と結果は異なり、本実験では相関関係が認められなかった。そのため、引き続き検証していく余地を残した。(2)男子陸上競技者において脊柱起立筋横断面積の絶対値と走速度、ストライドに相関関係が認められた。(3)大腰筋横断面積と股関節屈曲筋力および競技者の疾走速度を上位群および下位群に分類した場合において、Consentric60deg/sec、Eccentric300deg/secでの関係が認められた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先に挙げた研究実績の通り、大腰筋と疾走能力、疾走フォーム、股関節筋力、その他の関連筋群と考えられる脊柱起立筋について検証を進めた。また、それらの分析も第1段階では終了しており、結果も先に挙げた通りである。したがって、研究の実験自体は当初の予定よりも進んでいる。 しかしながら、これまでの著名な先行研究である「大腰筋横断面積の大きい競技者ほど走速度が高い」ことを前提として研究を進めているが、これらの研究との結果は異なり、大腰筋と疾走能力の関係は薄かった。今後は更にサンプル数を増やして検証する必要がある。これらについては既に撮影実施中であり計画も順調である事から、研究2年目も引き続き検証していきたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
2012年3月から4月にかけて、再度MRI撮影を34名実施した。これは陸上競技のシーズン直前の筋横断面積を測定する目的であった。今後は、シーズン半ばである7月に撮影し、シーズン終了時である9月から10月にかけて撮影をする予定である。これはシーズン時のトレーニング様相を裏付けるエビデンスとなり、シーズン中のような体力トレーニングよりも実践トレーニング重視のトレーニングを行った場合に、どのような変化がもたらされるのかを検証するものである。そのご2012年3月に再びMRI撮影を行い、体力トレーニングが中心である時期との比較を行っていく。また、動作分析ではシーズン中7月辺りに撮影を行い分析をしていく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
繰越金742,500円が発生したのは、MRI撮影が3月の年度末と重なり、538,395円の支払い請求が間に合わなかったこと、生理学消耗品も既存の大学研究費を使用したため使用しなかったためである。次年度はMRI撮影の1人単価が15,000円×50名×2回(合計約1,500,000円)実施予定に加え、研究成果の発表経費および分析関連消耗品の購入をする予定であり、予算一杯の執行を予定している。
|
Research Products
(2 results)