2013 Fiscal Year Annual Research Report
運動開始直後の機械的血管拡張機構に及ぼす自発走運動と加齢の影響
Project/Area Number |
23500771
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
前田 順一 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (40199617)
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Keywords | 運動性高血流 / 血管拡張機構 / 経壁圧変化 / 加齢 / ラット骨格筋細動脈 |
Research Abstract |
本研究では、運動開始直後1秒程度で生ずる非常に速い血管拡張機構について、血管拡張を生ずる経壁圧変動の閾値に及ぼす自発走運動および加齢の影響を検討した。 2013 年度 の目的は、1回の筋収縮で血管拡張を生ずる血管経壁圧変動幅の閾値および機械的な圧迫に対する血管拡張能に加齢が及ぼす影響を明らかにすることであった。加齢ラットには、62~72週齢のWistar系ラットを用いて、ヒラメ筋の入り口に位置する供給動脈の生体外摘出標本を作成し、血管外圧の変動により惹起される血管径の変化を測定した。血管内圧を 80 mmHg に保ちながら 1秒間 250 mmHgの矩形様血管外圧(外圧刺激)を1秒間の間隔で1~10回負荷したところ、1回(1秒間)の外圧刺激直後にコントロール群 (Cnt)では10.2 %の血管拡張が生じ、加齢群では 7.6 % の血管拡張が生じた。10回の外圧刺激後にCnt群では26.2 ± 13.2 %の拡張が認められ、加齢群では 21.8 ± 13.6 %の血管拡張が認められた。しかし、両群の血管拡張能に有意な差異は認められなかった。負荷する血管外圧を 20 mmHg から徐々に漸増したところ、血管外圧により血管内径が減少しはじめる60 mmHg (経壁圧 -20 mmHg) 付近からCnt群では3.9 ± 4.8 %、加齢群では 5.5 ± 3.9 % の血管拡張が生じた。血管拡張を生ずる経壁圧は -20 mmHg付近にあり、この閾値には加齢の影響は認められなかった。 2011年度から2013年度までの本研究の結果をまとめると、腓腹筋の収縮により機械的な圧迫を受けるヒラメ筋の供給動脈においては、血管拡張を生ずる経壁圧変動の閾値には自発走運動及び加齢の影響は認められないものの機械的な圧迫に対する血管拡張は自発走運動により亢進することが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)