2012 Fiscal Year Research-status Report
脳虚血障害後の運動療法による内皮幹細胞活性化の基礎的検討
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23500772
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
南條 博 秋田大学, 医学部, 准教授 (70250892)
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Keywords | 内皮細胞 / 内皮幹細胞 / 樹状細胞 / 脳虚血障害 / 運動療法 / 骨髄キメラ / 血液脳関門 / 血管新生 |
Research Abstract |
脳梗塞を念頭においた脳虚血障害後の早期回復を目的とし、運動療法により血管幹細胞を活性化させ、脳内の毛細血管に多量に動員し、脳血流回復効果を成体で明らかにする基礎的研究に着手した。具体的には成体の骨髄キメラマウスで両側内頸動脈を一過性に閉塞させる脳虚血障害モデルを用いる。障害後に早期から適度な運動を負荷し、活性化された血管幹細胞が血液脳関門に多量に動員され、これらが脳血管壁およびで内皮細胞、周皮細胞、樹状細胞に分化、増殖し、脳の毛細血管を活性化し、脳虚血障害を軽減することを形態学的および分子病理学的解析により解明する。 本年度は新たに60匹の長期生存骨髄キメラマウスを作製した。また、過去に作製した長期生存骨髄キメラマウスの全身諸臓器を病理組織学的に検討し、骨髄由来内皮幹細胞の動態について以下のことが判明した。1)脳血液脳関門に多数の骨髄由来内皮細胞が動員されている。骨髄由来樹状細胞様細胞も散見される。2) 心筋内毛細血管に多数の骨髄由来内皮細胞がみられる。全身諸臓器で最も多い。3)腎臓毛細血管にも比較的多数の骨髄由来内皮細胞がみられる。4) 全身諸臓器の動脈、静脈、リンパ管に骨髄由来内皮細胞がみられる。5) 上行大動脈起始部と大動脈弁に骨髄由来内皮細胞がみられるが、弓部以下の大動脈に骨髄由来内皮細胞はみられない。6 ) 大動脈に骨髄由来樹状突起細胞が多数みられる。 骨髄由来内皮幹細胞動態と全身諸臓器の循環動態との密接な関連が示唆され、次年度は脳虚血モデルとの比較検討を加えた研究を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
長期生存骨髄キメラマウスは順調に作製されており、全体の計画に大きな変更はない。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、脳虚血モデルマウスとの比較検討を、形態学的、分子病理学的解析を中心に進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
形態学的、分子病理学的な本格的な解析を次年度に行うため、試薬購入費と人件費分の4万4千円余りを担保した。 飼育費用、免疫組織化学用抗体の購入、研究補助の人件費などに使用する。
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Research Products
(1 results)