2011 Fiscal Year Research-status Report
運動による筋萎縮抑制機構におけるリボソーム合成の関与
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23500773
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
町田 正直 筑波大学, 体育系, 研究員 (90579921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武政 徹 筑波大学, 体育系, 准教授 (50236501)
清澤 秀孔 筑波大学, 体育系, 研究員 (30295422)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 骨格筋 / 萎縮 / リボソームRNA |
Research Abstract |
骨格筋の萎縮は生活の質の低下に直結する。その為、筋萎縮の分子メカニズムを明らかにし、筋萎縮の進行を軽減する様な手法の開発につなげる事は、高齢化社会を迎えた我が国にとって喫緊の課題である。骨格筋の筋量調節に重要と考えられているmTOR経路の活性化は筋肥大時には必須であるが、筋萎縮時におけるmTOR経路の役割については十分に検討されていない。そこで本研究では、除神経による筋萎縮時におけるmTOR経路とmTOR経路により制御されているリボソームRNAの合成に着目し、その変化を検討した。実験には、C57BL6雄マウスを用い、筋萎縮処置としては除神経を行った。2週間後の骨格筋のサンプルを用いて、mTOR経路の活性化に関わる因子の発現変化とリボソームRNAやリボソームRNAの合成に関わる因子の発現変化を検討した。実験の結果、筋肥大時には必須と考えられているmTOR経路の活性化が除神経による筋萎縮時にも引き起こされている事が明らかとなった。そして、その抑制因子であるミオスタチンが減少している事を明らかとした。さらに、mTOR経路により制御されていると考えられていたリボソームRNAの合成が低下している事が明らかとなった。これらの結果は、筋萎縮時にはミオスタチン遺伝子の減少によりmTOR経路が活性化した可能性を示唆するものである。さらに、筋萎縮時のリボソームRNAの合成減少はmTOR経路以外の何らかの因子により影響を受けた可能性を示す結果であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、リボソームRNAの合成に関わる意思の発現変化を検討する事が平成23年度の研究目標であったが、現在は平成24年度の目標であるリボソームRNAの合成に関わる遺伝子発現の操作から、筋萎縮や筋肥大を導けないかを検討していおる段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は、リボソームRNAの合成に関わる因子に発現操作から、骨格筋の萎縮や肥大を導く事はできるのかという課題に向かって検討を進めている。研究は計画どおりに順調に進んでおり、実験計画を変更する予定はない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度において未使用の研究費が生じたのは、購入する実験動物、消耗品などを安く購入する事が出来た事が原因である。今年度の未使用分の研究費も含めて次年度における研究費の大半は、機器類の購入ではなく消耗品と実験動物の購入に充てる計画である。
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Research Products
(3 results)