2012 Fiscal Year Research-status Report
運動による筋萎縮抑制機構におけるリボソーム合成の関与
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23500773
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
町田 正直 独立行政法人産業技術総合研究所, 幹細胞工学研究センター, 産総研特別研究員 (90579921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武政 徹 筑波大学, 体育系, 教授 (50236501)
清澤 秀孔 高知大学, 医学部, 准教授 (30295422)
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Keywords | 骨格筋 / 萎縮 / リボソームRNA |
Research Abstract |
本年度は、リボソームの合成低下による筋萎縮の分子機構の解明を目標に研究を行った。具体的には、前年度の段階で筋萎縮に伴うリボソームRNA合成低下の原因因子をTAFIaと特定した事から、TAFIaの発現制御により筋萎縮が進行するのかについて検討した。TAFIaに対するshRNAをプラスミドを用いてC2C12(骨格筋由来筋芽細胞)に導入したところ、rRNA量やリボソームRNAの合成量が筋細胞でも低下する事を世界で初めて明らかとした。さらに、このshRNAを骨格筋に導入したところ、リボソームRNAの合成量は減少したものの筋萎縮を進行させる事はできなかった。 これらの研究では、TAFIaが骨格筋におけるリボソームRNA量を規定する重要な因子である事が明らかになったものの、それは筋萎縮を促進するのもではない事が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標は、リボソームの合成低下による筋萎縮の分子機構の解明であった。そして、前年度に同定した因子の遺伝子操作の検討を行った。つまり、研究計画書の進行通りに進んでいると評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度では、筋萎縮を引き起こす原因因子を探索し、その遺伝子操作により筋萎縮が進行するのかを明らかにする事であった。次年度では運動により筋萎縮の原因因子がどのように変動するのかを明らかにする予定であった。しかし、原因因子と思われていた因子の遺伝子操作しても筋萎縮が進行しなかった事から、他の因子が関わっている事が考えられる。そこで今後は、実験の予定を変更し、原因因子の探索を続けるとともに、除神経以外の筋萎縮モデルにおいてもリボソームRNAの合成量の変化が起こるのかについて検討する予定。加えて、ヒトの骨格筋においても同様の現象が起こるかを確認する事を検討している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、前年度の残予算を用いて、筋萎縮の原因因子の探索を行う予定です。さらに今年度の予算を用いて、他の萎縮モデルにおいてもリボソームRNAの合成低下が引き起こされるのかについても検討し、その原因因子の探索を行う予定。
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Research Products
(1 results)