2012 Fiscal Year Research-status Report
オートファジーによるタンパク分解は、加齢性筋肉減弱症を誘発するか?
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23500778
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
佐久間 邦弘 豊橋技術科学大学, 総合教育院, 准教授 (60291176)
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Keywords | 骨格筋 / 加齢 / サルコペニア / オートファジー / 筋萎縮 |
Research Abstract |
オートファジー経路の活性化が、加齢性筋肉減弱症に関与している可能性がある。今年度はこのオートファジー経路の活性化 (Beclin-1およびp62/SQSTM1)が、TWEAK-TRAF6経路によって制御されるかどうかについて調べた。 実験動物には若齢(3ヶ月齢)と高齢(24ヶ月齢)のC57Black雄マウスを用い、p62/SQSTM1とTWEAKおよびTRAF6の発現様相を蛍光免疫組織化学染色にて調べた。加齢筋に存在する15%程度のp62/SQSTM1陽性細胞は、細胞質に活性が認められた。一方TWEAKおよびTRAF6の発現は、加齢筋においてあまり際立った活性の亢進が認められず、陽性を示した場所も間隙に存在する単核細胞であった。加齢筋では、TWEAKとTRAF6間においても共局在 (Co-localization)が確認できなかった。 ノックアウトマウスを用いた研究から、除神経後の筋萎縮ではTWEAEKとTRAF6がオートファジー経路の上流で働く。一方、加齢筋においてはそのような制御が行われていない可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、加齢期のオートファジー経路亢進 (p62/SQSTM1)のメカニズムに迫る研究を行った。結果は予想に反したが、除神経よる急性の筋萎縮 (オートファジーをTWEAK-TRAF6経路が調節)と、加齢による緩やかな筋萎縮では制御機構が違う可能性を示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は自発性走運動が骨格筋内のオートファジー関連物質、およびその調節因子 (mTOR: mammalian target of rapamycin, FOXO3: Forkhead box O)の発現量に影響を及ぼすかについて検証する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
得られた研究成果を、日本体力医学会 (シンポジウム: 東京, 9月)を含めた複数の学会で発表予定である。したがって研究費の1割程度は、この旅費にあてる。今年度は、自発性走運動によるオートファジー関連物質の変化を調べる予定である。研究費の大部分は、この検証のための一次抗体、生化学実験、蛍光免疫組織化学実験のための消耗品 (薬品、シランコートスライドガラス、各種二次抗体など)、実験動物の購入などにあてる予定である。残りの研究費は、実験を遂行するための学生アルバイト、研究成果公開促進 (原著論文、総説、本のChapter分担執筆)のための別刷り代金 (Online掲載料金)に使用する予定である。
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Research Products
(12 results)