2011 Fiscal Year Research-status Report
運動およびトレーニングが内因性一酸化炭素産生に及ぼす影響
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23500779
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
安田 好文 豊橋技術科学大学, 総合教育院, 教授 (70126952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊戸 美弘 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00303701)
佐久間 邦弘 豊橋技術科学大学, 総合教育院, 准教授 (60291176)
庭山 雅嗣 静岡大学, 工学部, 准教授 (40334958)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 呼気ガス / 一酸化炭素 / 一酸化窒素 / カルボキシヘモグロビン / heme oxygenase / 運動 / トレーニング |
Research Abstract |
安田と齊戸は、既存のCO分析計の測定精度、安定性をガスクロマトグラフィーと比較し、呼気ガス測定には十分な性能を有することを確認した。この装置と呼気ガス連続測定装置を用いて、自転車エルゴメータによるramp負荷運動時の呼気CO排出量を測定し、運動強度の増大に伴い、呼気CO排出量が増大することを明らかにし、その成果を国際学会(Breath Analysis Summit 2011, Sept., 2011, Italy)において発表した。さらに、呼気CO排出量に及ぼす換気量の影響を明らかにするために、人工呼吸器を用いて異なる換気条件下の呼気CO排出量を測定した。この結果は現在論文としてまとめている。一方、呼気ガス中のNO, CO, H2S測定の意義と現状を整理するために文献検索を行い、その概要を、平成24年6月発刊予定の学術書「身体運動と呼吸・循環機能」(真興交易医書出版部刊)に投稿した。 佐久間は、生後3ケ月齢のマウスから腓腹筋の凍結横断切片を作成し、蛍光免疫組織染色の予備実験を行った。HO-1とHO-2に対する一次抗体に抗ウサギ-Rhodamine二次抗体を反応させ、骨格筋内での免疫活性検出に成功した。これにより骨格筋内のHO-1,HO-2測定の目途が立ったと考える。 庭山は、可視光および近赤外光を用いたヘモグロビン濃度計測法の確立に向け、600 nm~700 nmの光がCOHbの検出に有効であることを光伝播シミュレーションと生体模擬試料を用いた実験で明らかにした。また、その波長帯での測定に適した送受光間距離についても検討し、10 nm~15 nm程度で良好なS/N比が得られることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
安田と齊戸は、既存のCO分析器の精度・安定性等について検証実験を行い、その妥当性を評価した。これを用いて、ヒトを用いた運動負荷実験を行い、運動負荷の増大に伴って呼気CO排出量も増大することを明らかにした。また、呼気ガスに含まれるNO, CO, H2S測定の意義・現状についてこれまでの研究成果を整理し、学術書に執筆できたことは、今後の研究の方向性を考える上で有意義であったと考える。 佐久間に関しては、蛍光免疫染色法を用いてマウス骨格筋のHO-1、HO-2の発現量の観察に成功し、今後の運動実験、トレーニング実験に向けた準備ができたと考える。 庭山は、COHb計測装置の開発の上で重要な、使用する光の波長帯域、および発光/受光素子間距離に関する基礎実験を行い、良好な結果を得ている。これらの結果は、次年度の装置開発につながると考えられる。 以上のことから、いずれの部門も研究計画書に準拠し、おおむね予定通り研究が進められていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度については、研究計画書に従い、計画的に研究を進めることを基本とする。安田と齊戸は、まず運動時に増大する呼気CO排出量の由来を明らかにするために、運動時の総呼気CO排出量と血中のCO含有量の変化を比較する。これにより、血中のCO含有量の呼気CO排出量への関与が明らかにできると考える。同時に呼気H2S排出量の測定に着手し、運動による呼気H2S排出量に及ぼす影響を評価する予定である。 佐久間は、マウスを用い、中等度および激運動前後の骨格筋標本から、HO-1,HO-2の発現動態を、RT-PCR, Western blot, 蛍光免疫組織染色法により特定する計画である。 また庭山は、平成23年度の成果に基づいて多波長の光源を有するパルスオキシメータの開発を行い、その測定精度をファントムおよびヒトを対象とした実験により検証する予定である。ヒトを対象とする実験は、安田、齊戸と共同して行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度予算は、130万円の予定であるが、庭山に装置開発費として20万円、また佐久間に、マウス購入、測定用キッド、薬品等の購入費として20万円を配分する。安田と齊戸は、測定機器レンタル料(約40万円)、被験者謝金(20万円)、分析用試薬代(10万円)、研究補助(10万円)等に計80万円を使用予定である。残り10万円については、学会発表用として考えている。
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