2012 Fiscal Year Research-status Report
運動およびトレーニングが内因性一酸化炭素産生に及ぼす影響
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23500779
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
安田 好文 豊橋技術科学大学, 総合教育院, 教授 (70126952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊戸 美弘 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00303701)
佐久間 邦弘 豊橋技術科学大学, 総合教育院, 准教授 (60291176)
庭山 雅嗣 静岡大学, 工学部, 准教授 (40334958)
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Keywords | 呼気ガス / 一酸化炭素 / 一酸化窒素 / カルボキシヘモグロビン / heme oxygenase / 運動 / トレーニング |
Research Abstract |
安田と齊戸は、健康な男子大学生を対象として運動負荷実験を行い、運動時の呼気CO排出量および血液中に溶存するCO量を2種類の分析装置を用いて計測した。呼気ガスデータは現在整理中であるが、Oximetry法および Head-space法で測定した血液中のCO量の比較結果については、「ヘッドスペース法を用いた血中一酸化炭素濃度測定の有効性」と題して、豊橋技術科学大学総合教育院紀要第35号(2013)に投稿した。また次年度使用予定の硫化水素分析器に関して、その分解能、安定性に関して予備テストを行い、応答性にやや問題はあるものの、Mixing chamber法での適用には対応できることを確認した。人工呼吸器を用いた毎分換気量と呼気CO濃度に関する研究は、論文として準備中にある。 佐久間は、生後3ヶ月齢のマウスに筋肥大誘導の運動モデルである代償性負荷を施した。蛍光免疫組織染色を用いて、筋肥大運動刺激4日後と6日後の足底筋を調べたところ、HO-1およびHO-2ともに単核細胞での発現が確認された。 庭山は、平成23~24年度に開発した多波長抗原を有する近赤外酸素濃度計測装置の電子回路の調整・試験を完了し、その装置を用いてヒトを対象とした実測を安田と共同して行った。また、演算アルゴリズムに関する検討を行い、波長間での光路長の差異を考慮した定量化法を考案した。実測の光強度測定データに新たな演算法を適用したところ、COHb濃度変化の実測結果を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
安田および齊戸すでに運動負荷テストを終了し、現在その結果の整理中である。その一部であるoximery法とhead-space法による血中CO量の測定上の問題点を検討し、その結果を紀要にまとめた。呼気ガスのデータ整理がやや遅れている以外は、順調に進んでいると考えられる。 佐久間は、蛍光免疫組織染色法を用いて、筋肥大誘導運動系(代償性過負荷)でのHO-1およびHO-2発現亢進を確認した。この代償性過負荷は、筋力トレーニングの類似モデルとして広く普及しており、HO-1およびHO-2の発現を確認できたのは大変意義深い。 庭山は、当初予定していた装置開発をほほ完了し、ヒトを用いた検証実験を行い、ほぼ予想した結果を結果を得るに至った。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度となり、安田と齊戸は、トレーニング実験を計画している。4週間の持久力トレーニング群とレジスタンストレーニング群に分け、トレーニング前後の運動時の呼気CO量を比較検討する予定にある。同時の運動時の呼気硫化水素排出量の測定も実施する計画にある。 佐久間は、マウスの筋肥大誘導系(代償性過負荷)で確認されたHO-1およびHO-2陽性細胞が衛生細胞(増殖期/分化期)であるのか、免疫系細胞であるのかについて検証する予定にある。 庭山は、開発した近赤外光組織酸素計測装置の精度をより向上させるために、ヒト実測の状況に近いファントムを試作し、検証実験を積み重ねる予定である。その検証においては実験・ディスカッションを安田、齊戸と共同して行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度予算としては、114万円が経常されているが、庭山にファントム等の開発費として10万円、佐久間に、マウス購入、測定用キッド、薬品代等の購入費20万円を配分する。安田と齊戸は、測定機器レンタル代40万円、および被験者謝金に30万円を使用予定にある。残り14万余円は4人分の出張費に充当する予定である。
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Research Products
(12 results)