2012 Fiscal Year Research-status Report
グレリン併用運動療法の多面的抗生活習慣病作用に関する研究
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23500782
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
上野 浩晶 宮崎大学, 医学部, 助教 (00381062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
十枝内 厚次 宮崎大学, 医学部, 講師 (80381101)
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Keywords | グレリン / 糖尿病 |
Research Abstract |
グレリンを2型糖尿病患者に投与した際の耐糖能に対する影響を検討した。対象は2型糖尿病患者10名(男性8例、女性2例、body mass indexは23.8 ± 2.2、HbA1c (JDS値) は8.2 ± 1.2 %、罹病期間は7.5 ± 4.4年間)。 方法は、一晩絶食後の早朝に、生理食塩水またはグレリン 0.5 μg/kgを静脈内投与し、400 kcalの試験食(炭水化物63%、蛋白質17%、脂質20%)を摂取させ、前、15、30,45、60、90、120、180分後に経時的に採血を行い、血糖値、インスリン値、成長ホルモン値、グレリン値を測定し、食欲をVAS; visual analogue scaleで評価した。約1週間の間隔を置き、クロスオーバーで生理食塩水またはグレリンを投与して同様に採血を行った。グレリン投与時に血漿グレリン濃度は平均で前値の9.5 fmol/mLから 負荷15分後に378 fmol/mLに有意に増加し、成長ホルモン値も平均で前値の0.4 ng/mLから負荷15分後に18.3 ng/mLまで有意に増加した。一方、生食投与時には血漿グレリン、成長ホルモンともに負荷30~90分後に前値よりも有意に低下していた。血糖値は約120 mg/dLから負荷90分前後に約250 mg/dLまで増加し、インスリン値も約5 μIU/mLから負荷60~120分後に45 μIU/mLまで有意に増加したが、生食投与時とグレリン投与時で両者とも差を認めなかった。また、食欲のVASも差がなかった。以上より、グレリン0.5 μg/kgの投与では2型糖尿病患者の耐糖能や食欲に悪影響を及ぼさないこと、また成長ホルモンも健常人と同等に上昇することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画よりは若干の遅れを認めている。理由としては、予想以上に対象患者のリクルートに時間を要していることや、人事の関係により実際的に現場で手を動かす人員が予定よりも減少していることが挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の計画を推進すべく、対象者のリクルートについて宮崎県医師会治験促進センター機構にも協力を依頼し、本院だけでなく関係医療機関への働きかけを強めて、患者のスクリーニング、本研究の説明・同意、実施中のサポートなどを得て研究を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
人件費、研究協力者への謝金、血液検査の測定費用(外注検査費用、ELISAキットの購入費用)、研究成果発表や研究推進の情報収集のため糖尿病学会年次学術集会などへの旅費等として使用する計画である。
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