2013 Fiscal Year Annual Research Report
異なるラット系統種の筋力トレーニングへの応答の差をモデルとした筋肥大因子の探索
Project/Area Number |
23500788
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
中里 浩一 日本体育大学, 体育学部, 教授 (00307993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 立朗 桐蔭横浜大学, スポーツ健康科学部, 講師 (80468800)
越智 英輔 明治学院大学, 教養部, 准教授 (90468778)
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Keywords | 筋肥大 / ラット / 種特異性 / 筋タンパク質合成 / トレーニング |
Research Abstract |
本研究課題により2012年度は腓腹筋における等尺性トレーニング(麻酔下にて足関節角度90度にて腓腹筋の高周波数電気刺激(60-100Hz,HFS)を5秒間5セット×5セッション)をおこないSD系ラットでは有意な肥大が確認されたが、Wistar系ラットでは肥大は確認されないという系統種依存性があることを確認した。2013年度は新規性の高い筋肥大刺激を検索することを目的に反応性の高いSD系ラットを用いて一般的な電気治療などに用いられる低周波数(10-20Hz,LFS)の電気刺激でもHFSとほぼ同程度(5%)の筋肥大が得られることを確認した。本年度は特にHFSでは筋肥大を得にくいWistar系ラットにおけるLFSの有効性を検討した。 対象はWistar系ラット(9~10週齢)10匹でありランダムにHFS群とLFS群に群わけした。HFS群は100Hz、LFS群は10Hzにて足関節90°膝関節伸展の状態で固定した脚部腓腹筋直上から経皮的に電気刺激することで等尺性トレーニングを実施した。 HFS群では有意な腓腹筋湿重量の増加は認められなかものの,LFS群では筋湿重量が有意に増加していた(P<0.01, 6.6 %).また,筋タンパク合成の指標であるp70S6Kおよび筋タンパク分解の指標であるMAFbx/Atrogin-1およびMuRF-1はHFSでは有意に亢進していたものの,LFSでは亢進していなかった. 我々はSDラットを用いた解析から、HFSでは主にmTORシグナルが筋肥大に貢献している一方でLFSでは必ずしもmTORが関与しているわけではないことを示唆するデータを得ている。Wistar系ラットにおいてLFSのみで筋肥大が誘発された理由の一つとしてHFSとは異なる作用機序で筋肥大が誘発できたことが挙げられる.さらにLFSでは筋タンパク分解抑制が筋肥大に寄与した可能性も示唆される.
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