2013 Fiscal Year Research-status Report
移動能力が異なる高齢者における日常生活活動水準の横断的,縦断的評価方法の開発
Project/Area Number |
23500790
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
野田 美保子 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (50142881)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木田 和幸 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (60106846)
|
Keywords | 日常生活活動水準 / 心拍数 / 高齢者 / 移動能力 |
Research Abstract |
本研究の目的は,歩行自立から寝たきりに至る種々の移動能力レベルにある高齢者を対象とする日常生活活動水準の横断的研究,及び,障害や疾病により歩行自立から車椅子に変わるような移動能力の変化に伴う日常生活活動水準の変動を追跡する縦断的研究に適応可能な活動水準評価方法を開発することである。 移動能力に関係なく日常生活の活動水準を比較する方法として、我々は「総心拍増加 Total Excess-Beats Product:TEBP法」を提案しているが、そのTEBP法の実施のために従来使用していた機器より比較的測定しやすいActiHR(Mini Mitter社製)の使用を試みている。しかし実際にActiHRを使用してみると意外に使い方に戸惑うことが多く、高齢で若干理解力も低下している対象者に受け入れてもらえるかどうか疑問が生じている。そのため現在、TEBP法実施方法の見直しも含め、ActiHRの使用方法を再検討すること、ならびに協力を依頼する対象者選択の検討を行っている状況にある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
TEBP法は対象者個人の夜間睡眠時の平均心拍数を超える心拍数を算出して日常生活の活動水準を測定する方法であるが、心拍数を記録するActiHRを用いた方法確立に未だ手間取っており、実際に被験者を用いたデータ収集に本格的に取り込めていない状態である。 申請時には対象者依頼が可能と予測していた介護老人保健施設等の利用者において、高齢化が進み平均年齢が80歳を超えるようになり、かつ介護保険法の実施に伴って虚弱化・重度化も著しく進み、長時間にわたり心拍数を測定し対象者の負荷が予想される研究に高齢者本人のみならず施設側も倫理的に研究協力を受け入れがたい状況が生じてきている。研究協力を依頼する前に協力の受け入れ可能な、高齢者にやさしい研究計画を再検討する必要があり、慎重に行動している。 以上が本研究の進展が遅れている主たる理由と考えられる.
|
Strategy for Future Research Activity |
虚弱な高齢者にも協力を受け入れてもらえるような対象者にやさしいTEBP法の測定方法の確立を検討しなければならない。倫理委員会での承認が一つの基準となる。介護老人保健施設利用者の場合は施設長やスタッフの了解を取り付け、在宅の高齢者の場合は対象依頼者の家族の了解を取り付ける必要がある。このような対象者探しは従来より難しくなってきており、残された研究期間も短いため、研究申請時の計画より数的に少なくせざるを得ないことも予想される。まずはできることから始める。研究は横断的研究と縦断的研究があるが、より負荷の多い縦断的研究には自身も含め依頼しやすい人に協力をお願いする予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額が生じた理由は、現在、研究の進展が遅れており、申請時に予定されていた人件費・謝金および旅費等の支出が生じていないことによる。 研究期間を延長しての最終年度となるため、研究方法の見直しを早急に進め、データ収集、研究のまとめ・発表を精力的に行い、人件費・謝金および旅費等を使用する予定である。
|